夜叉姫は紅龍に愛される〈外伝〉

五菜みやみ

そして物語が始まる。

第1話

東京都_✗✗区。




私_白雪美夜は今、夏休み明けから通う学校までの通学ルートを確認しに来ていた。


──と言いつつも、


こんな夜更けに出歩いてるのは、夜遊びをしに来たようなものだったりするわけで……。




「やっぱりこの街も明るいなぁ」




元々住んでた所も同じくらいビルや建物が多いところで街灯や電飾看板で明るかったけど、この街の雰囲気はどこか違って見える。



ひと目で違いが分かるのは、出歩く人達の中に暴走族らしき人がチラチラと見られることだと思う。


色んな色や形のピアスを付けて。


金や赤、それにピンクや緑なんかの髪色をしていて。


流行りの髪型から、個性的とも言える髪型をした人達が出歩いてる姿はすごく堂々としていた。



──お。


集団でバイクが走ってる。


みんなでコール鳴らして、合唱みたいだなぁ。



立ち止って大通りを見ていると、数十台のバイクが通り過ぎて行く。


中には大声を出している人いて、みんなが笑顔だった。




あはは!


みんな楽しそう。



いいなぁ。


いや、まぁ私もいつかは仲間入りするんだけどね!



それにしても、何となくで歩いていて来たけど3時近くになっちゃったし、


そろそろ家から強制的に迎えがやって来る頃かな。




「んー、帰るか…」




ココからさっき見つけた最短ルートを使って、一番近い駅に行こう。



そう思って人気ない道を歩いていると、三人の男たちが向こうから歩いて来てることに気づいた。



端によっておこうかな。


今の私に絡む奴なんてないと思うけど、なーんかさっきから見られてるんだよねー。



暗めの茶髪ロングに、ブラウンのカラーコンタクト。


服装は短パンにTシャツと言うラフな格好で、男の子用のキャップを被っている。


決して、女の子ぽくなんてない。




声を掛けられるなんてありえないと思ってたのに……。

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