第83話

千秋君は私から離れた反対側からベッドに入る。

キングサイズって本当に大きい。

彼は毎日このベッドで優雅に寝てるんだ。

そりゃ熟睡もできるはず。


「俺の方のライトだけつけてもいい?少し読みたい本があるんだ。」


「う、うん、いいよ。私は寝るね、おやすみなさい。」


そう言って千秋君に背を向けて私は目を瞑った。


すると部屋の照明が消えるのが分かる。

うっすら目を開けると背中の向こうにほのかに灯りがついていた。


本当に千秋君と同じベッドにいるんだ……。


なんだか眠れる気がしない。

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