第81話

「ねながベッド使えばいいよ。シーツ替えたから。」


そう言って千秋君は寝室に誘導する。


「それは悪いよ、私はリビングのソファで十分だから。」


「寒いし、ねなは彼女だからね。ソファで寝てもらう訳にはいかない。」


「あのソファ大きいから寝心地良さそうなんだけどな。」


「ダメ。」


千秋君なりに気を使ってくれてるんだと思うんだけど……。

場数を踏んでない私からしたら彼のベッドで眠るのは高度過ぎる。



「それとも一緒に寝る?」


「えっ……、」


千秋君の言葉に動悸がした。

私が返答できずにうろたえていると、


「ねなが嫌なことはしないって言ったよね?」

「そうだけど……。」

「このベッド広いし離れて眠れるから。」


この言葉を簡単に鵜呑みにしていいの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る