第70話

エレベーターが最上階に到着し千秋君の後を追って降りる。

彼はカードキーをかざすとドアのロック解除の音がした。

それがやけに響いた。


「どうぞ。」

そう言われて中に入る。

この前はよく見れていなかった玄関、廊下……

この部屋に初めて来たような感覚がする。


「ねな?」

玄関で立ったままの私は千秋君の声にハッとする。


「あ、お邪魔します……。」


緊張してきた。

今夜は千秋君とこの部屋で2人きり。

私の心臓どこまで持つのかな。

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