第46話

まだ少し頭痛が残る私に千秋君は容赦ない。


「な、なに?」

千秋君が私を見下ろしている格好になる。

耳元に彼の手が置かれていて近すぎる事に緊張が走る。


寝室が暗いから……、ひとつのライトだけでは怖い。


「ねなのプライベートだから口は挟みたくないけど、」


「え?」


「あの槇村って男はねなの事は本気じゃない。」


いいの、本気じゃなくて。逆に本気になられたら困る話だから。

なんて千秋君には言えないけど。


「い、いいの、それでも。」

そう言うと千秋君は少し顔をしかめる。


「いいってどういう……、」

「私のプライベートだからほっておいて?それより千秋君も彼女早く作ったら、」


そう言いかけたら彼に右頬を触れられる。

背中がぞくりとした瞬間、

私の唇は彼に支配された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る