第43話

夜の8時と聞いて急いで起き上がる。

すると頭痛がした。

「いった……、」

私が頭を押さえると千秋君はため息をつく。

ここは彼の寝室なのかベッドサイドのライトしかついてないから表情がよく見えない。


「昼から飲んでたの?」

「あ、いつもはそんなことなくて、」

「酔うまで飲むとか……、」

「ごめんなさい、大事な用があって。」

「……そうだろうね、彼氏と一緒だったからね。」


さっきのペットボトルが頬に当たった冷たさと同じ温度の声音が耳に響く。


「あの槇村って彼氏はねながここまで酔ってるのに止めることもしないの?」


「槇村君は悪くなくて……、」


「彼氏庇うとか考えられないんだけど。そういうの本当に彼氏っていうの?」


私は頭が痛すぎて反論が出来ずにいた。

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