第15話

仕事だからと割り切っているのに彼に会うことは嬉しいと感じるより緊張の割合が多い。


割り切れてなんていなかった。


「ホールメインの図面を?」


「はい、先日のはすぐにOKは出たんですがもうひとつ案を出して欲しいと。1人暮らしの画家さんなので自宅を縮小しても良いと言われました。」


「1人暮らしだったんだ、」


「あ、私伝えてなかったんですか!!申し訳ありません、」

「あ、別にそんな謝らなくてもいいから。」


そうだった、千秋君はこの仕事だけではなく他の仕事も受けている人なのに大切なことを伝えていなかった。


「なんか……、調子狂う。」


そう言って千秋君は少しため息をついた。

調子狂う、と言われて落ち込む自分に気づく。

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