第14話

で、この本を読んで勉強しろってこと……だよね?


仕事を終え、一人暮らしのマンションに戻るとバッグから千秋君から強制的に?貸し出された本を取り出す。


「こんなの読んでも全然意味が分からないんだけど……あれ?」


表紙をよく見るとあの図書室で彼が読んでいた本によく似ていた。

そうか、あの頃から建築士を目指してたんだ。

夢を叶えたんだ……。

そんな時に私は何も考えずに彼に告白して……。

私には将来の夢なんてなかった。


千秋君を想う気持ちが強くて息をするのも辛かった。

振り向いてもらえる無駄な期待なんかして。

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