第5話

あんなにドラマチックな展開でタクシーに飛び乗ったのに、



まさか今、



こんな情けない事態でコンビニお手洗いに飛び込むとは……




「もぉ~…何をやっているんだ……」




かなりの自己嫌悪に陥る私―…




しかも、



あんなに切ない状況にいたのに、




― 所持金がない ―




という理由で、一気に現実に引き戻されるところが惨めさに拍車をかけてくれる……(私ニ悲劇ノ主人公ハ向カナイノネ……)





しかし、



今はこの現実をどう乗り切るかを素早く解決するのが先決だ。




まさか、さっきの今で臣くんが居る自宅にUターンする勇気もないし……




ああ、



神様、せめてお財布も持って家を飛び出させてくれれば良かったのに……



でも、そんな贅沢も言ってられないし。とりあえず、唯一持っている携帯電話で何とか乗り切……




そうだ。



携帯電話。




運良く(と、言っていいのかはわからないけど……)携帯電話は所持している。





「……」




といわけで、



早速、毎度お世話になっている理沙子さんにコール……っ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る