84・たっぷり愛して欲しい…
第84話
「離婚は勘違い…貴女の?」
「はい。私達は離婚してません」
手に力を込めて高畑さんの目を見てはっきり言ったら高畑さんも私の目を見て言い放った。
「佳彦をずっと好きだったの!貴女なんかより先にね!」
「はい。私も佳彦を好きになったんです」
佳彦が好きな事を高畑さんに譲る気は無い。
「結婚も許せないのに!貴女の“吐き気”って…」
「……」
私の一挙一動を見てる高畑さんに誤魔化せないと悟った。
「…私達は夫婦なんです。その件は夫婦で話し合います」
佳彦と話し合って決める事であって高畑さんには関係無い。
「野々!」
「華!」
私達が廊下で騒いでいるから男二人がそれぞれ駆け付けた。
「野々!華ちゃんにまた突っかかって、何してるんだ!」
「別に…」
「華、何処か痛い所は?」
「無いから大丈夫」
野山さんが真っ先に高畑さんの所に行った光景を見て野山さんは高畑さんが好きなんだと気付いたから高畑さんに言った。
「高畑さんを真っ先に心配してくれる男性が居るのに知らんぷりなんですか?」
「そんなの…知らんぷりするわよ!」
そんなの野山さんが報われないから高畑さんに言おうとしたら言葉を佳彦に遮られた。
「高っ…」
「高畑、悟。今日はもう帰れ」
「…分かった。野々、帰るよ」
「嫌よ!まだ話は終わってないわ!」
野山さんは高畑さんの鞄と自分の鞄を持って高畑さんの腕を掴んでバタバタと玄関に行った。
「じゃあ、会社で」
「あぁ。高畑を頼むよ」
男二人でアイコンタクトを取って二人はあっという間に出て行った。
「佳彦?」
「高畑が言っていた吐き気って何だ?」
「……」
夫婦だから話し合うとさっき誓ったばかりだけど佳彦は受け入れてくれる?
「何処か病気なのか?なら…」
「大丈夫。心配かけてごめんなさい」
佳彦に寄りかかって抱きしめた。
「何?誘ってる?」
「誘ってるって言ったらどうする?」
確信持ちたいけど今は佳彦に愛されたい。
「いいよ、誘われてあげる。へばるなよ?」
「優しくお願いします」
佳彦は私を抱っこして寝室に向かう途中片付けてない事に気付いた。
「あっ!片付けてないっ」
「明日の朝やれば良いだろ?朝まで離すつもりないから」
「…お手柔らかにお願いします…」
寝室の扉が開いて本当に朝まで離してくれなかった。
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