83・対峙する…?

第83話

「佳彦ったら!キッチンに立つのは女性の仕事なんだから!こっち来て話し合いましょうよ」

「お前の考え古いからな。俺達夫婦・・なんだからどっちもキッチン立つのは当たり前だ」


高畑さんが佳彦を呼びに来たけど佳彦は反論して高畑さんは頬を膨らませて野山さんの所に戻って行った。


「来る度に惣菜を買ってくるって…ケーキの方が良いよな」

「…ははっ。そうね…」


人を太らせようと魂胆かも知れないけどその手には乗らないからね!


「ゔっ…」

「大丈夫か?華」


急に吐き気を催したから慌てて口を押さえる。


「少し座ってろ。もう盛り付けだけだろ?」

「うん。でも治ったから」


一瞬だけの吐き気。

きっと疲れだろうな…って思うんだよね。


「悟、高畑。一旦夕飯だよ」

「マジか!華ちゃんの手作り〜」

「……」


野山さんはテンション上がりでキッチンに来て高畑さんは今だに怒っていた。


「このおかずって華ちゃん手作り〜?」

「これは高畑さんが買って来てくれたおかずです」

「野々が購入にして来たの?美味いね!ここの惣菜」

「ありがとう。佳彦はどう思う?」

「…普通」

「普通って美味しいか不味いか聞いてる!」


私も聞かれたら普通・・って答えるかな。

どっちかって答えられない。


「これ、惣菜じゃ無いわね?手作りかしら?」

「華の手料理だ」

「お口に合うか分かりませんけど…」

「美味しいよ〜。華ちゃん!」

「……」

「ありがとうございます」


お口に合って良かった。

美味しいもの食べてる二人に合うかドキドキだったけど。


「……っ」


また吐き気が来て軽く口を押さえた。


「ちよっとお手洗いに行ってくる」

「分かった」


佳彦に聞こえる様に行って立ち上がった。

その一部始終を高畑さんが凝視していたのを気付かなかった。



「ふぅー…。なんだろう?」


終わって出たら廊下に腕を組んで高畑さんが居たからビクッと体が反応してしまった。


「待たせちゃいましたか?」

「違うわ。出るまで待っていたの」


少し威圧的な態度に萎縮してしまうけど自分の足でしっかり立つ為に踏ん張った。


「何でしょうか…」

「あなた達、離婚・・してるんでしょ?」

離婚・・してなかったです。私の勘違いでした」


この人には直球で言った。

佳彦を諦めてくれる事を願って。

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