79・帰ってきたよ
第79話
「結局、戻ってこなかったね」
「うん。まだトラブってる…?」
智子とお昼休憩に来ていて宣言通り午前中は野山さん預かりになり昼食時間になったからこうやってお昼に来た。
「課長不在って結構大変だよね」
「うん…」
野山さんは見ていて大忙しいそうだった。
課長って改めて凄いと思ったからトラブってるなら力になりたい…。
{何か力になれる事はありますか?}
「……」
言葉を打っては消してを繰り返していた。
{出来る事あるならするから言ってね}
この言葉を送った。
今も商談中だったらマズイかもしれないかどもう送ってしまった。
「彼氏にlime〜?」
「うん。連絡」
「合コンに誘っても来ないから絶対居ると思ったのよ」
「合コンなんて最上級で怒られる」
と青い顔して言ったら携帯がブブッと震えたから慌てて見る。
{無事、終わったよ。これから帰る。家で癒して}
{お疲れ様です。了解です}
「何々〜?嬉しそうにしちゃって」
「えっ?顔に出てた?」
聞くと頷く智子に恥ずかしくなり今度は顔が熱くなるのを感じた。
「課長、午後は居ると良いな〜」
「そうだね」
お弁当を食べ終わり包み立ち上がりオフィスに戻ると賑やかだった。
「課長、戻って来てる!」
「うん。午後、課長の印が貰える」
課長の周りに沢山人が集まっていて賑やか。
「野山、助かったよ」
「課長〜癒して下さいよー!」
「おっ〜よしよし」
野山さんと課長が冗談交じりで戯れあっているのを見て本当に仲の良い二人なんだなって感じる。
「あの二人同期だから気心知れてるよね」
「うん。まぁ、
「えっ?」
その言葉にギュッとお弁当を握りしめた。
「あの三人同期だもんね。課長の恋人って高畑さんの噂あるけどどうなんだろうね」
「…そうだね…」
それを言うのが精一杯だった。
智子に「先に戻る」と伝えてデスクに戻り座る。
背を向けてるから三人は見えない位置に居てくれてホッとした。
「沢井さん、お疲れ様です。聞きましたか?」
「どうかしたの?」
先に戻っていた同僚が声を掛けて来た。
「何でも商品課の高畑さんが課長のピンチを救ったらしいですよ」
「…えっ?そうなの?」
ピンチを救ったってどう言う事?
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