72・お昼休憩の一コマ

第72話

{華ちゃん、limeでごめんね。帰るわね}

「お義母様達の見送りって仕事中…」


お昼休憩中にlimeが来ていて少し慌てて立ち上がったら智子に「どうした?」と聞かれ、慌てて「何でも無い」と座った。


「話しの腰折ってごめんね。それで?」

「うん、それでねー」


{佳彦とこれからも仲良くね。あっ!でも離婚届・・・には署名入れてあるわよ!二人分}

「…ぶっ」

「華っ〜本当に大丈夫?」

「うん。大丈夫」


お義母様達、お茶目すぎる。


{佳彦にはキツく言ってあるけど最終兵器よ?}

{お見送り出来なくてごめんなさい。最終兵器

了解です!お義母様、お義父様。お気をつけて

帰って下さいね}


お義母様にlimeで送って携帯を置いた。


「そう言えばね、華がさっき珈琲飲みに行ってる間に朝倉さん、課長に注意されていた」

「朝倉さん?なんでまた…」


人のデスクの上に書類を積み上げる女性。


「なんか、華だけじゃなかったらしいよ。書類押し付けられた人」

「えっ?はっ?」


食堂で大きい声が出てしまって慌てて口を塞いだ。


「その人が限界だ!って思ったらしく課長にね」

「自業自得ね」

「そうね」


智子は自前のお弁当を頬張ったを見て聞いてみた。


「今日も行くの?」

「当たり前よ!」

「気合いが凄い…」

「気合い入りまくりよ!」

「まぁ、頑張って…」


智子の合コンに賭ける思い凄いなぁー…って思う。


「華も行く?」

「私?行かないよっ〜」


行ったなんてバレたらどんなお仕置きに合うか。

それとも事前報告?

イヤイヤっ…考えるだけで恐ろしいよっ


「華は、結婚願望無いの?」

「あっー…どうだろうね。あんまり?」


持って来たサラダをザクザクしながら答えて口に運ぶ。

智子に対して罪悪感はあるけどこれは隠し通さないとね。

お弁当を食べ終え包み終えてから智子が伸びをしながら愚痴る。


「午後の仕事、嫌だー」

「智子ったら」


笑って言ったら課長が近付いて来た。


「上田さん、午後イチに俺の所に来て」

「あっ!はいっ課長」


智子は伸びの手を慌てて下げモジモジした態度で急に声をかけた課長に対応していたけど佳彦は別に気にも止めずに颯爽と去った。


「何の用なんだろー」

「そうだね」


午後イチの智子の課長への用事は書類のミスだった。

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