71・軽い…〜悟目線〜
第71話
「華っ…沢井さんっ」
「野山さん、お疲れ様です」
廊下を歩いてる華ちゃんに声をかけた。
佳彦の奥さん。
「今日、借りて行くね」
「はい。楽しんで下さいね」
笑いながら歩いて行き自販機ルームに向かう。
「華ちゃん、珈琲で良い?」
「はい。お願いします」
ボタンを押して珈琲を選ぶ。
「今日は本当に助かったよ。俺だけだったら先方を納得出来なかったよ」
「そんな事無いですよ。野山さんの的確な言葉があったんですから。ありがとうございます」
珈琲が出来上がり華ちゃんに渡し、自分の分の珈琲も押す。
「そう言えば野々も補助役だけど重要案件のみ駆り出す事にしたから華ちゃん大変だと思うけどよろしくね」
「はい。頑張ります!」
佳彦は華ちゃんの
「佳彦とそろそろ結婚記念日だよね?おめでとう」
「ありがとうございます。お互いその日は日にち合わないのですけど都合の合う日にって事にしてあります」
「そうなんだ。それも良い思い出になるよね」
「はい。
「そうだね」
俺と野々も結婚ってなったら…そうやって楽しめるんだろうな…って!!
結婚の前に交際が先だよな…。
でも、それの道なりが長い。
「野山さん?」
「ごめんっ!何でもないよっ」
華ちゃんは俺にとっては妹存在。
野々は俺にとっては大切にしたい存在なんだけど野々は今だに佳彦が好きのが見える。
「野山さん、応援してますから!」
「華ちゃーん?何の事かな??」
「ふふっ。こっちの話です。珈琲、ご馳走様でした。先に戻りまーす」
「あっ…ううん」
女の勘って怖い。
俺の恋心ダダ漏れなの?
「嫌だっ!怖いっ」
華ちゃんにバレてる時点で恥ずかしいけど野々に告白してからだよな。
「よしっ!頑張ろう!」
「…何を頑張るの?悟」
「野々!いつの間に??」
心の中は焦ってるけど冷静を装う俺に対して野々はしれっとしていて珈琲のボタンを押す。
「別に、今よ?」
「そうなんだー」
いざってなると言葉が続かないし、頭の中真っ白。
「悟」
「はいっ?」
名前を呼ばれて声が裏返った。
「どうかしたの?何か変よ、貴方」
「ははっ…。別に何でも無いよ」
俺の意気地なし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます