49・女の戦い?①〜佳彦〜
第49話
両親と会うのは久しぶりだ。
「貴方、華ちゃんと
「そうなのか!?佳彦!華ちゃんを泣かせる男に育てた覚えはないぞ!」
両親がコッチに帰省していて俺の家に居る。
キッチンのテーブルで説教じみた事を言われてるから呆れて立ち上がるとブーイングが飛び交うけど無視して寝室に向かう。
「…これ、書いてないだろ。華しか」
「あらっ。まぁ、本当だわ」
「華ちゃんが離婚したがってるの??」
華しか記入してない
だから事実俺達は離婚してない。
「分からないけど急に突きつけられた」
「佳彦、貴方…話し合ってないの?」
「佳彦くん。話し合わないとダメだよ」
話し合う…としたよ、何度も。
でも、何かしら邪魔が入る。
「あっ、ごめん。電話だ」
話の途中で着信が鳴り立ち上がって電話に出る。
《もしもし?》
《佳彦?今、平気?》
コイツも有給を取ったのか。
《今、両親が来てるから無理》
《ご両親が、来てるの?それなら丁度良いわ。今近くに居るからそっちに向かう》
《あっ!おいっ!野々》
「野々…?」
母さんの声が低くなったと同時に電話が切れた。
「まだあの
「今、同じ会社の同期で働いてる。部は違うけど」
そう言っていたらチャイムが鳴り出ると野々が立っていた。
「野々、急に来るのは失礼に値すると思うよ」
「あら。佳彦との仲じゃないの。ご両親に挨拶したかったの」
玄関を開けてしまった俺も悪いが両親に挨拶させてから帰らせるか…と思った。
「どんな
「あらっ。お
「貴女にお
野々はにっこり笑って何も聞いてない素振りを見せて手土産をテーブルに出した。
「お昼まだかと思いましてここの
母さんは無言。父さんは母さんがいつキレるかハラハラしてる。
「父さん、母さん、食べるだろ?」
「久しぶりの高畑さんとの再会なんだ。食べよう。五月」
「……あらっ、電話だわ」
そう言って母さんは立ち上がってリビングで電話に出た。
《もしもし?どうかしたの?》
心配する様な声に母さんに気を許してる人なんだと思った。
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