46・話し合う…?

第46話

「さぁ、華ちゃん、寝ましょ!」

「はいっ…」


少し距離を取ってしまったらお義母さまが笑って私の手を繋いでくれた。


「華ちゃん、私は何があっても華ちゃんの味方よ。もし、娘でなくなってもね…」

「お義母さま…。ありがとうございます」


その後、お義母さまと布団の中で別の事を話していつの間にか眠りに付いた。


「……」


自分の隣にいつもと違う温もりがある事に気が付いて目を開けてそうだ…と頭を巡らせた。


「喉乾いた…」


起き上がってキッチンに向かうとリビングの電気が付いていて消し忘れた?と思ってギョッとした。


「佳彦!起きていたの?」

「華かっ…。起きて来たのか?」


キッチンに行きコップに水を入れて飲み干した。


「喉乾いて…。佳彦は?お義父様と寝ていたんじゃないの?」


笑って言ったらソファーに寝転がって言った。


「親父ならイビキかいて寝てるから避難して来た」

「そう…大変ね」


クスクス笑って私も向かい合ってソファーに座った。


「なら、ココで一夜を明かすのかしら?」

「まぁ、そうなるな」


「そう、大変ね」と言ってソファーに寄りかかってお義母様の言葉を思い出した。


〔もう一度話し合う事を薦めるわ〕


そうさっき言われた。

佳彦と離婚・・の事を話し合う必要があるのかどうかさえ分からない。


「華?明日早いんだろ。寝ろよ」

「あっ、うん。あのね、佳彦…」


お義母様に言われた通りに話し合おう。


「ちょっと待った。電話だ」

「えっ?」


佳彦が私の目の前で躊躇なく電話を取る。


《何用だ。野々・・

「!!」


野々…電話の相手は高畑さん。

私が電話の内容を聞いてはいけない相手だから慌てて立ち上がると佳彦が私を見る。


〈じゃあ、おやすみ〉


小声で佳彦に挨拶をしたら佳彦が急に立ち上がって私の腕を引っ張って私を腕の中に入れる。


〈ちょっ…〉

を腕の中に入れただけだけど?》

「!!」


佳彦は躊躇なくと言ってくれるけど高畑さんにそれは効かないと思うけど…。


《変な誤解は与えたくないからな》


変な誤解も何もないよ。

だって私は元妻・・なんだよ?


《あっー…それなら明日話せば良い事だろ?じゃあな》

「……」


最後佳彦は面倒くさくなっていて電話を切った。


「私、怒らないわよ?」

「それでもな」


含みの笑いに腹が立つけど安心しましたよ。

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