45・お義母さまに洗いざらい…

第45話

「佳彦、荷物持って〜」

「はいはい。母さん」


お義母さまは佳彦に荷物を持って貰って私と腕を組んで歩き出す。


「華ちゃん、体調は大丈夫なの?」

「はい。申し訳ありません」

「気にする事ないわ!華ちゃんさえ無事ならそれで良いの」

「お義母さま…」


お義母さまは本当は先に帰省しようとしていたけど私が体調が悪かった為、延期して貰った。


医師先生から言われた事は佳彦には?」

「言ってません。進展あったらお義母さまに伝えます」

「分かったわ。そしたらすぐ向かうから!」

「はい」


本当は佳彦と離婚・・してるとご両親に伝えなきゃいけないのに伝えられない。


「華ちゃん?本当に大丈夫」

「はい、大丈夫です」


これ以上お義母さまに心配かけない様にする為に考えを手放して家に着くまでお義母さまと楽しくお喋りをした。


「華ちゃーん、今日は一緒に寝ましょうね」

「はいっ!お義母さまと寝られるの嬉しいです!」


佳彦と寝る事になるのは出来るだけ避けたいからお義母さまと寝るのは嬉しい。


五月さつきちゃーんが華ちゃんと寝るなら僕と一緒に寝ようね、佳彦くん」

「えっ?父さんと寝るの?」

広一こういち君は佳彦くんとね!男同士と女同士で別れたわね。じゃあ、ゆっくり〜」


佳彦、お義父さまと一緒に寝るのね。

久しぶりだから良いかもしれないわね。


「お義母さま、二人きりになったらお話があります」

「あらっ、良い事じゃなさそうね」

「……」


それぞれ皆お風呂に入って寝る支度をして私の部屋に私とお義母さまだけになった。


「お義母さま、申し訳ありません」

「どうしたの?急に」


お義母さまの前で土下座して謝った。


「佳彦さんと…離婚をしました」

「…えっ?」


これ以上、嘘は付きたくなかったから洗いざらい喋ったらお義母さまが固まった。


「待って…話が飛躍し過ぎて…」

「…佳彦さんが好きな人と結ばれる為に私から離婚を切り出したのです」

「…何故?」

「佳彦さんに幸せになって欲しいからです」


佳彦に幸せになって欲しいから。


「佳彦は、華ちゃんと一緒に居て幸せじゃないって言ったの?」

「…それは言ってません」


お義母さまは少し考えてから私の肩を優しく叩いた。


「佳彦くんともう一度話し合う事を勧めるわ」

「……」


もう一度、話し合う事か…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る