44・佳彦の両親登場です

第44話

この男性佳彦には全てがお見通し。

やり直せるなら最初からやり直したい。


「…悟とディナーに行かなかったんだな」

「あっ?うん。書類残ってたし…」


頭を上げようとしたら頭を抑えられていて上を向けない。


「ちょっ…佳彦っ!」

「なら。よかった」


よかった?

佳彦の顔が見れなくて無理矢理頭をあげた。


「イタタタっ…」

「お前が俺の顔を見ようとするからだろ?」

「見ちゃいけない理由なんてない訳何処にあるのよ」


そう言って見た佳彦の顔は耳まで真っ赤になっていた。


「どうして、真っ赤になってるの?つられて私も真っ赤になる…」


そう言って私もつられて真っ赤になった。


「あっー、仕事引き上げるぞ!親達がいつ来るか分からないし」

「…えっ?そっ、そうね。私も明日やるわ」


鞄に持ち出しOKの書類を入れて佳彦も鞄の支度をして持ち私の事を待ってる。


「お義父さまとお義母さまはいつ来る事になってるの?」

「一応、明日になってるけど今日から俺の家な」

「…分かったわ」


喋りながら会社を出て佳彦の家に向かって歩いていた時に呼ばれた。


「華ちやぁぁぁーん」

「佳彦くぅぅぅーんん」


このテンション高い人達の声は…と二人で声のする方を見た。


「お義母さま!お義父さま!」

「…父さん、母さん…もう少し…」


佳彦が言葉を続ける前に佳彦の両親は佳彦の腕を両方握った。


「久しぶりねー。会いたかったわ」

「華ちゃん、久しぶりだね。元気してたかな?」

「はい。お二人とも元気そうで何よりです」


二人に挨拶してお義母さまが私を抱きしめる。


「ウチの息子は華ちゃんを泣かしてない?大丈夫?」

「えっ?大丈夫ですっ」


お義母さま、スイマセン。

泣かしてるのは私の方です。


「華を、泣かす訳ないだろ。“俺の大事な奥さん”なんだぞ?」

「……っ」


佳彦からそんな言葉貰えるなんて嬉しい。

私達、離婚・・しちゃったけどやり直せるなる?

離婚からもう一度やり直せる…って…


「……!!」


佳彦とご両親を見て胸がズキッと痛んだ。

佳彦は“好きな人”と結婚する為に私は離婚した。


「華ちゃん?どうかしたの?」

「あっ、なんでもないです」


お義母さまに心配されて慌てて取り繕った。


「さぁ、こんな所で立ち話はもういいでしょ!佳彦くんの部屋に向かうわよー!!」

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