40・ストレスの原因の一つだ!

第40話

「沢井、これから会議に出る。お前のプレゼンを主にする。選ばれたら気合い入れてやれよ」

「はい!…あの、部長…」

「何だ?」


おずっと書類を渡して印鑑を貰う。


「野山と、ディナーに行くのか?」

「えっ?」


今、ココで聞く内容じゃないよね!!

誰かに聞かれていたら大変なんですけど…!!


「部長、ありがとうございますー」


書類を貰おうと思ったら部長が手を離してくれない。


「部長、離して下さると有り難いのですけど…」

「行くのか?行かないのか?お前の返答次第で離してやる」

「行きますよ!部長には関係ない事ですから」

「…そうか。関係ないか…」


すんなりと手を離してくれて傷付いた目をして心なしか声のトーンが低くなった。


「部長…」

「早く書類持って行け」

「はい。ありがとうございます…」


それを見て自分も傷付いた気がした。


「部長、もう怒ってなさそうー」

「うん。怒ってなかったよ」


智子はそう言って部長に印鑑を貰いに行った。

私と態度の違う楽しそうな雰囲気を見て傷付く理由なんて無いのに。


「バカ…佳彦」


小さく小さく呟く声は誰にも聞かれなかった。


「みんな、これから会議に入るから俺宛はデスクに置いて置いてくれ」

「はい」


それぞれ返事をして部長は書類を持って会議に向かった。

これから上層部へのKYA会社のプレゼン発表。

通るか通らないかは分からないけども全力は出した。


「華ちゃん、楽しみだね」

「野山さん。はい」


そうだよね。

楽しまないとダメだよね。

プレゼンは部長に任せるとして私はこの書類を片付けないと…と思ってデスクに乗ってる書類を捌いていく。


「沢井さーん」

「…朝倉さん。何用ですか?」


この女性は仕事を何だと思ってるのかしら?


「私、これから営業で回るので少し書類回して良いですか〜?」

「…お断りします!私も書類が山積みなんです」


言い切ってやったわ!

これ以上積まれるのは勘弁だもの。


「そうですか〜。ならいいでーす」

「そうですか…」


呆気なく去ったから拍子抜けした。


「ちょっと御手洗行ってこよう」


御手洗の為、席を外した。

気持ち悪いのが無くなり少しは楽になりストレスだな…って思った。


「………」


また積み上げられてる。


「朝倉さんからですよ」


ストレス原因は貴女でもあるのよー!!

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