34・私のご褒美は…

第34話

「沢井華、これからプレゼンを開始させて頂きます」


三人佳彦・高畑さん・野山さんの前でプレゼンを披露する事になった。


「KYA会社の醍醐味はー」


野山さんにお願いしたのは…


「会社の会議室を借りてプレゼンの練習をしたいんです!だから野山さんの名前で会議室借りれませんか?」


私は半休をとってるから借りれない。

ダメ元で言ったら笑って快く承諾してくれた。


「じゃあ、俺も付き合う事が条件ね」

「えっ!それだと野山さんが…」

「俺は気にしなくて良いよ。華ちゃんの手伝うよ。佳彦に見つかると五月蝿いしね」

「…確かに」


って笑ってあってプレゼンしていた頃を返して欲しい。

今は真剣にプレゼンをしてる。

これ以上佳彦をガッカリさせない為に。


「以上がKYA会社に対するプレゼンです。利益はこの生産から見える図に対して比例しておりますので赤字は双方出ない方向です」

「そうか。二人とも質問は?」


佳彦が二人高畑さんと野山さんの顔を見たけど野山さんは首を振り高畑さんは黙っていた。


「良いプレゼンだった。沢井よくやった」

「ありがとうございます!!」


佳彦に褒められて嬉しい!

抱きつきたい…って二人がいるし抱きついたらダメだって言うの。


「私、自分の業務があるから行くわ。お先に」

「野々!俺も行くよ。華ちゃん、良かったよ!」

「ありがとうございます!」


野山さんは高畑さんを追って行ってしまった。

第一会議室私と佳彦だけになった。


「佳…部長もどうぞ後片付けしますので業務に戻って下さい…」

「こうして欲しかったんじゃ無いのか?」

「はあっ?違っ…」


後ろから優しく抱きしめられて心臓がドキドキしてる。


「違いますから!」

「そういう物欲しそうな顔していたけど?俺の間違い?」

「間違いですわ。なんでそんな顔しないといけないのよ!離してくれますか?」

「残念。もう少し抱きしめたかったけどここまでにしておくよ」

「そうして下さい」


本当はもう少し抱きしめて欲しい。

佳彦のぬくもりが離れていく寂しさに心がポッカリと穴が空く。


「今度はこっちから」

「えっ?」


佳彦が私を自分の方に向かせて今度は真正面から抱きしめる。


「佳…」

「やっぱりこっちからの方が良いな」

「なっ…!」


こっちからの方って…久しぶりすぎてド緊張よっ!

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