第4話【星の戦士、みずきの覚醒】

第5話

第4話【星の戦士、みずきの覚醒】


みずきは中学2年生になりました。

あれからゆうとから手紙もきません。

新しく買ってもらったスマホへメールも来ませんでした。

ゆいいつ、学校の女子の友達から聞いたのは、ゆうとは、ギャラクシーガーディアンズという悪と戦うヒーローに選ばれたとのこと。

そして、みずきとは身分不相応と思うほど、超有名な御曹司のお坊ちゃまだったということ。

それから、みずきにとって、ゆうとは遠い国の人となってしまいました。


中学2年生のクリスマスの日、みずきは女友達の数人とクリスマスパーティーをしました。白い粉雪降る道をひとりぼっちで家へ帰宅しました。

「ふぅ・・・寒い。」

吐く息は白く真っ白です。

「ゆうとに、会いたいな。」

女友達には彼氏ができたり恋愛話に盛り上がったりしましたが、みずきは、恋バナには入れませんでした。

だって、まだ恋がなんなのか、わからないし、

思い浮かぶのは、なぜか、ゆうとの顔だったからです。


家の前につくと冬、枯れたひまわりは垂れ下がっていました。

「ひまわり、もう枯れちゃったんだ・・・。」

その枯れたひまわりをみると、ゆうとがいた夏からだいぶ離れた気がして、気分がふさぎ込んでしまいました。

「枯れてしまうのは寂しいけれど、新しい季節も待っているよね。」

みずきは、ひまわりについている冷たい雪を振り払ってひとり言いました。

すると、ひまわりの下になにかプレゼントが置いてありました。

「なんだろうこれ。」

直径5センチくらいのプレゼントボックスには小さなメッセージカードが挟まっていました。

メッセージカードにはこう書いてありました。

「『ひまわりが枯れても、僕たちの思いは枯れない。』」

「!!??え・・・、ゆうと?」

名前は書いていませんでしたが、みずきは一瞬でゆうとだと思いました。

そう感じたのです。



さみしかったのでしょうか、みずきは涙がボロボロと流れ出ます。

「ゆうと・・・。」


みずきは涙をぬぐって、走って2階にある自分の部屋に上がりました。

「みずき、おかえりなさい、夕飯は?

!てっ、ちょっとどうしたの?」

クリスマスケーキを用意していたお母さんが呼び止めます。

「ちょっと、後でご飯食べる!

とっといて!」

「もう。」

みずきは、雪がついたコートをぬいで、無造作にプレゼントを開けます。

中には、ファンデーションのようなコンパクトミラーのようなものが入っていました。

「なにこれ?」そういって、コンパクトミラーをあけて鏡をのぞき込むと、自分の顔が見えました。

その瞬間・・・!

コンパクトミラーは光ってみずきを包み込みます。

「キャッ!!!」



なんとみずきは、きらきらとした星の戦士に変身したのです。

「これって、テレビアニメでみたことある、ギャラクシーガーディアンズ?にそっくり」

そう、みずきは悪と戦うギャラクシーガーディアンズに選ばれたのです。

「きゃっ、ひらひらのスカートになんだかきらきらしてる、わたし!恥ずかしい」とみずきは自分の部屋の鏡の前に立ちました。

すると魔法のコンパクトはメッセージを伝えました。


「助けて、星の戦士たち!悪が、地球を、日本を、東京を覆いつくそうとしている」

「え?悪を倒すのよね、ギャラクシーガーディアンズって、いったい、どうすればいいの?」

「このコンパクトミラーの地図をよく見てください。そこに悪物がいます。倒してほしいのです。」

「わ、わかった!」

みずきは二つ返事で了承しました。

正義とか、悪とかわからない、でも行った先に、ゆうとが、ゆうとがいるかもしれない。そんな不純な想いでみずきはコンパクトミラーをもって、窓を開けました。

みずきの背中には煌びやかな羽がはえて空を簡単に飛べます。



「わぁ!すごい!町のクリスマスの景色がキレイ!」

「ギャラクシーガーディアンズ、みずき、これから戦うのです、気をひきしめてください。」

「そ、そうだった、がんばる!ってどうやって戦うの?」

「私が見えない敵を見えるようにして、みずきをサポートします」

「うん、わかった!ありがとう!」


クリスマスにいた悪とは、クリスマス中にカップルが喧嘩するように取りつく黒い悪魔でした。みずきは魔法のステッキで魔法を出し、悪を打ち破ります。

コンパクトに言われた通りに魔法の言葉を言いました。

「ホーリーシャインバースト!!」

クリスマスを祝福する光を象徴する神聖な魔法で悪を退けました。

「やった!楽勝ね!・・・でも、なんだか疲れる」

「魔法は精神を疲弊させます。気を失わないように気を付けてください。」

「そ、そんな!」

4,5体の悪魔を倒しきったとき、みずきは気が緩んで眠気が襲いました。

「あ、もうだめ、眠い。」

「いま、空で寝てはいけません、落ちてけがを・・・。」

みずきの背中に生えた羽は消え、下へ落ちそうになった時、なにものかに

みずきはお姫様だっこされました。

「だ、だれ?」

でも、みずきは、それが誰なのか結局わかりませんでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る