4→私の大事な人が大型犬になりました

第4話

陛下とわたしくしは私が伯爵令嬢で地位保全の為の政略結婚…。

だから“愛のない結婚”=義務感で結婚した様なものだと思っていた。


「では、王妃よ。行ってくる」

「行ってらしゃいませ」


隣国が攻め入るという事で陛下はそれを阻止する為に行ってしまった。


「どうか、お気をつけて」

「帰ってきたら言いたい事があるんだ」

「はい。陛下」



陛下は出立してしまった。

それから一年帰国しなかった。


「王妃様!!列が見えます!」

「えっ?陛下、帰ってきたの?」


慌ててバルコニーに出ては陛下の無事の姿を見たい一心で探す。


「陛下、皆様もよくご無事で…」


涙が流れてしまって嬉しかった。


「陛下にご挨拶してこないと!!」


バルコニーから大広間の玄関にて出迎える。


「陛下、お帰り…」


あらっ?陛下の姿が見えないわ。


「王妃様、申し訳ありません。陛下…」

「あらっ、可愛いワンちゃん」


大型犬で毛の色が陛下のブラウンの毛の色と似ていてそして白の毛をしていて何処となく陛下を彷彿ほうふつさせてくれる。


「王妃様、あの…」

「陛下ね?このワンちゃん陛下でしょ?」

「分かるのですか?!」


陛下と同じ金色の目、ブラウンの毛色。

やっぱり陛下ね。


「魔力を使いすぎって所かしら?」

「はい。我々を守る為に使って下さり…」

「陛下らしいわね」


陛下とは政略結婚で“愛”なんてものはないと思っていたけどこの一年、陛下の無事を祈っていた。


「陛下、お疲れでしょう。ゆっくりお休み下さいませ」


カーテシーを陛下にしてその場を去ろうとしたらドレスの裾をグイッと引っ張られた。


「陛下?」

「キューン、キューンン(王妃、そなたも行くのだ).」

「私も一緒に行くのですか?」

「ワン(あぁ)」


勢いよく返事をされて陛下と一緒に寝室に入った。


「陛下、お帰りなさいませ」

「クーン、キキューン(挨拶はもうよい。早く来い)」

「そちらに行きますね」


陛下がベットの上にすぐ行ったので私も挨拶してからベットに座ったらグラッと目眩がしたと思ったらベットに寝かされていた。


「クーン、キューン(王妃、ただいま)」

「ふふっ、陛下。お帰りなさいませ」


ペロッと小さく私の頬を舐めてくれてその後チュッとしてくれた。


「陛下、淋しかったです。お帰りなさいませ」


上半身だけ起き上がって陛下(犬)を抱きしめる。


「クーン、クーン(俺も寂しかったよ。王妃).」

「陛下もですか?私もですわ。陛下」


もう一度、陛下とキスを交わした。

犬(陛下)とキスをするのはどうかと思うけど陛下が好きだから触れたい。


「陛下、何処も怪我はありませんかって!!」


よく見たら腕に包帯が巻かれていた。


「陛下!腕をお怪我したのですね!大丈夫でしたか?陛下っ!」

「クーン、キューン(かすっただけだから心配すんな)」

「そうなのですか。でもそう言われても心配ですわ」


陛下(犬)が座ったから抱きしめて陛下の毛のフワフワを堪能する。


「陛下、皆様を守って下さってありがとうございます。でも、今度は少し魔力を残して下さいね。私を抱きしめて欲しいですわ」

「クーンクーン(これならだきしめられる?)」

「えっ?」


陛下(犬)は、片足を上げて私を抱きしめる。

大型犬の大きな手に安心感が出る。


「ふふっ。嬉しいですわ」


私達の国は魔力を持ってる国。陛下である私の夫は随一の魔力持ち。私はそれを抑える為に差し出された事でもあるけど夫婦として接していく毎に陛下を好きになり陛下も私を好きになってくれて

今は、二人相思相愛の仲なのです。


「陛下、宴はどうされますの?」

「クーン。キューン(王妃、そなたがいるから問題ない)」

「私!陛下の為に頑張りますね!」

「キューン!ウウッ(ほどほどにだ!)」

「ほどほどに頑張ります」


諸外国から見たら私達は仲の悪い夫婦に見えているので私は“王妃として相応しくない”と言われて宰相達から“側妃”を“第二王妃”をと言われているが、陛下はそれを一掃した。


「我の王妃は今の王妃のみだ!それ以外を迎える事は一生無い」


あの時の陛下、カッコよかったですわ。

王妃も“私のみ”って言って下さって。


「クーン、キュキューン(王妃、宴まで休め)」

「えっ?私は休まなくても平気ですわ」


陛下が私の体を心配して宴まで「休め」と言ってるけど私は大丈夫です。


「陛下こそ、戦いから帰ってきたのです。お休みくださいませ」

「クーン、キュ(なら、そなたも一緒にな)」

「えっ?私も一緒にお休みするのですか?」

「ワン(あぁ)」


勢いよく「ワン」と言ってまたボフンッと寝転がり陛下(犬)も私の横に伏せた。


「陛下……」


陛下(犬)の毛並みにボフッとして体が小刻みに震える。


「…無事で良かったです。陛下に命があって。私の前にまた会って下さって…」

「クーン、キュン(俺もだよ。王妃)」

「カッコよすぎです。陛下」


目を瞑って体を休める。

陛下、早く、戻って下さいまし。

陛下に早く抱きしめて欲しいですわ。




「王妃様、こちらになります」

「まぁ、綺麗」


私室にて今夜の宴にて陛下が前々から作っていたドレスが飾られていて一周クルッと見て回る。

陛下の色が所々に散りばめられていて地味の様で豪華なドレスになっている。


「王妃様、陛下です」

「陛下?どうかしたのかしら?」


侍女が扉を開けたら陛下が人間に戻っていた。


「陛下!!」

「王妃!やっとそなたを抱きしめられる」


陛下が腕を広がるからその腕の中に入り陛下を抱きしめる。

ずっと求めていた陛下の腕の中。


「陛下の逞しい腕の中、嬉しいです。少し魔力が戻りましたの?」

「少し休んだからな。で、王妃」

「えっ?はいっ?」


ヒョイッと私を抱き上げてベットに連れ込みベットに降ろされて陛下もベットに乗り上げる。


「陛下…」

「王妃、魔力が少し不安定なんだ。鎮めてくれ」

「恥ずかしいですわ。一年も陛下に触れれなくて少し体が太ったと思いますもの…」

「どんな体型でもそなたは可愛いよ」

「陛下…」


陛下の唇が近付き私は目を閉じて受け入れる。


「陛下!皆様が見て…」

「もう、いないよ。王妃」


いなくて良かったですわ。

居たら恥ずかしすぎてドレス着替えた時に顔が見れないですもの。


陛下の逞しい腕の体を久しぶりに見て恥ずかしくなって顔を隠した。


「王妃?俺の体は好きじゃなかったのか?」

「…好きですわ。でも、今は恥ずかしいです」

「王妃の体はどうかな?」


陛下が私のドレスをゆっくり脱がしていき裸になっていき更に恥ずかしくなって顔を隠す。


「王妃、綺麗だよ。一年前と変わらない」

「陛下、恥ずかしいですっっ」


顔が真っ赤になってるのは分かるけど陛下がゆっくり私の胸を口に含む。


「んっ…」

「可愛い、俺の王妃。俺だけの王妃」

「んっ」


陛下とキスがしたくなっていき上半身を起こして首に手を回してキスをねだる。


「王妃、抱きしめたかったよ」

「私も抱きしめたかったですわ」


抱きしめてキスをして深くしていく。

陛下の溢れる愛をその身に受けて陛下と手を絡めて陛下に身を任せた。


「陛下、大好きですわ。愛してますわ」

「王妃、俺も好きだよ。愛してるよ」


更に深くキスを交わして会えなかった分もっと深く深く浸透していく。




「陛下、魔力また戻ってしまったのですね」

「ワン……(あぁ……)」


抱き合った後、陛下は着替えの為に戻って王と

王妃の入り口にて陛下を待っていたらズルズルと衣擦れがして見たら犬(陛下)が堂々と歩いて来た。


「王妃様、陛下は体調が悪いと言う事にしておきますか?」

「……」


どうしたら良いのかしら?

私の大好きな人が大型犬になってしまって本物の犬よ。


「このまま行きましょう。陛下は陛下ですもの」

「はい。王妃様」


このまま行ったら宰相達に何を言われるか分からないけど王妃としてこの国第二位として堂々としていけば良いのよね。


「!!」


自分の手にペロッと舐められた感じがしてビクッとしたら陛下が心配していたからしゃがんで犬

(陛下)を抱きしめる。


「陛下、大丈夫ですわ。陛下の尊厳を落とさせませんわ」

「クーン」

「大丈夫ですから」


犬(陛下)の頬にキスをして犬(陛下)も私にキスをしてくれた。


「陛下と王妃様、ご入場です」


そう言われて背筋をピンと伸ばして観衆の好奇な目に入られるんだろうと思っていた。


「きゃあー。可愛い」

「可愛い、ワンちゃんになってる陛下!!」


えっ?って驚いてしまった。

みんな知ってる?

陛下が魔力を使ってしまって大型犬になってしまった事を…。


「王妃様、黙っていて申し訳ありません。陛下からの指示でございます」

「戦いに行った時に言われたのね」

「はい。王妃が辛い思いをしないようにとの指示です」

「陛下…」


陛下の椅子に堂々と座ってる陛下(大型犬)を見ると陛下(大型犬)も気付いてくれて二人で見つめ合う。


「二人お似合いですわね」

「あ、ありがとうございます」


側妃の位置を狙ってる令嬢が私達を見てそう言った。


「王妃様は陛下をお慰め出来てるのかしら?」

「お慰めですか?」


下品な事を言う令嬢ですこと。

慰めなんてさっき陛下が人間になった時に

たっぷり愛し合って来ましたわ…なんて言えないから扇を広げて笑う。


「クスクス。私と陛下ですよ?それは特殊にさせて頂きましたわ」

「!!」


特殊と聞いて私が陛下(大型犬)に慰めをしたと想像したのだろう。


「まぁ、さすが王妃様ですわ」

「ありがとうございます。私もまだまだ精進が足りませんので精進させて頂きますわ」

「……失礼します。陛下。王妃様」


令嬢はカーテシーをして去っていた。


「……」


他人から見えない扇の向こうで小さくため息をついた。

蹴散らすのは簡単だけど神経をすり減らしてくれる。


「!!」


扇を持ってない手に温かい感触が広がった。


「陛下…」


心配してくれる陛下(大型犬)の目にニコッと笑って“大丈夫”と伝える。

陛下は分かってくださる。

私は私のする事をすれば良い事。


「陛下、私もお慰め出来ますわ」

「陛下、今夜お側に置いて下さい」


陛下…蜜に群がる蝶は沢山いるからそれをへし折ってその蝶の蜜になる。


「陛下は戦いで疲れておりますのよ?」

「!!」

「それを強いるなんて下品な令嬢達ね」


陛下は戦いが終わって帰ってきた身。

それを体力を消耗させようなんてなんて失礼な令嬢。


「陛下、体力が戻ったら私をお側に」

「いいえ。私をお側に」


そうお互いに言って陛下と私にカーテシーをして去って行った。


「陛下がこんなだと魔力を抑える事は不必要ではないですか?」

「宰相様。こんばんは」


嫌味な宰相が来た。

自分の娘を第二王妃に立たせて裏から政治を治めたいと邪心を持ってる。


「陛下に早く戻ってもらって第二王妃を考えてもらいたい」

「………」


第二王妃の件は私は口が出せない。

それは陛下の御心のまま。

陛下に決定権がある。


「ヴッー、ワンワン(宰相!王妃を侮辱するならその身、切り裂く。人間に戻ったら覚悟しておけ)」

「!!」

「陛下!落ち着いて下さいませ。私は大丈夫ですから」


陛下が宰相の言葉に苛立って吠え出した。


「なっ、何て言ってるんですか?!陛下はっ」

「えっ?分からないのですか?」


宰相殿に陛下の言葉は分からないらしい。


「陛下は、“宰相!王妃を侮辱するならその身、切り裂く。人間に戻ったら覚悟しておけ”との事です」


立ち上がって宰相に伝えたら顔が真っ青になっていき膝まついて謝る。


「陛下、申し訳ありませんでした。王妃様を侮辱した訳ではありません。お子が産まれない王妃様に苛立ってしまいました」


えっ?それって侮辱だよね?


「ヴッー(宰相っー!!)」

「陛下、大丈夫ですから!!」


宰相は頭を下げてそそくさと去って行った。


「宰相様に、言われても大丈夫ですから」

「キューン、クーン(王妃が侮辱されるのは許されない)」


陛下が心配してくれてるけど大丈夫。

だって、お子が出来なくても私は陛下が好き。


「陛下、覚えてますか?」

「クゥン?(なんだ?)」


陛下(大型犬)が首を傾げた。

可愛いすぎる!!


「陛下と“好き”をお互いに言った時ですよ」

「ワン(あぁ)」


陛下とお互いに“好き”と言った時はバルコニーで陛下が私を後ろから抱きしめて下さっていて左手の甲にキスを落としてくれた。


「陛下…好きです」

「俺も好きだよ」


後ろから陛下の甘い声が聞こえて体中が嬉しさで飛び上がりたかった。


「陛下、もし…もしですよ。私に…」

「2人でもいいんじゃないか?跡継ぎは誰でもなれる。でも、王妃はそなただけだ」

「陛下、大好きです」


陛下とその時初めてキスも交わした。

優しく大切に扱ってくれて今まで陛下と歩いて来た。


「陛下、嬉しかったです」

「ワン(俺もだよ)」


陛下が大型犬になってる間は無理だと思うの。

でも、魔力がちゃんと戻らないと陛下と愛し会えないのが、ネックね…。


「陛下?戻りますか?」

「ワン(そうだな)」

「戻りますわ」

「はい。承知しました」


宴はまだ続いているけど陛下が戻ると言ったのです私も戻る。



「ふぅー」


陛下から頂いたドレスを脱いでお風呂に入って

サッパリする。


「陛下は、第二王妃を迎えるのかしら?」


私の大好きな人は今大型犬になっている。

前陛下も第四王妃まで居た。


「陛下……」

「なに?」

「!!」


顔を上げたら陛下が人間に戻っていた。


「陛下!魔力が不安定なんですから戻るまでワンちゃんで居た方が良いと思い…」


そう言ったら陛下の手が伸びて来て私の胸を掴む。


「きゃあ、陛下!」

「犬コロだったら王妃の美しい体を堪能出来ないんだよね」

「それは、あんっ」

「可愛い声。だからもっと聞かせて?」


ピンッと胸を弾いて声が出るから塞ぐと陛下が耳元で囁く。


「そなたの可愛い声が聞こえない」

「陛下、やめて…あんっ」


陛下は意地悪だから人間に戻ったら絶対襲いにかかる。


「陛下、やめっ…」

「やめないよ。犬コロに戻ったら舐めれないだろ?」

「陛下っ」


ザバッと私をお風呂から出してベットに寝かして上に覆いかぶさる。


「陛下、さっきもしたのに…」

「さっきはさっき。今は今。俺に王妃を味わせてくれないの?」

「私も陛下を味わいたいです」


ギュッと顔を見られない様に抱きしめる。


「良かった。同じ気持ちで。さっきの嫌な気持ち吹き飛ばしてあげるよ」

「陛下…」


別に嫌な気持ちなんてある訳ないなんて嘘。

私以外、王妃を側妃を迎えないで。


「陛下、私を愛して。隅々まで愛して」

「愛してるよ。可愛い俺の王妃」


キスをして交わって2人で一緒にイッて抱き終わった後イチャイチャして眠ってを私以外しないで欲しいの。



「大型犬になっても愛して下さいますか?」

「ワン(あぁ)」


まだまだ魔力が足りないから朝になると陛下は

大型犬に戻っていた。


「それなら嬉しいです。陛下」

「クゥーン(俺は嫌だ)」

「……仕事が捗りませんもんね」


クスクス笑って回廊に2人で歩く。


「陛下、王妃様にご報告でございます」

「なにかしら?」

「隣国の王女を娶ればもう攻めに入らないとの事です」

「えっ?」


言葉を疑った。

隣国の王女を娶ればって第二王妃って事?


「それは本当の事なの?陛下」

「ワン、ワン(心配すんな、王妃)」

「はい…」


心配します。

貴方を誰かに取られるのは嫌です。

貴方をシェアするのは嫌です!


「今すぐ会議を行うぞ!宰相集めろ」

「はっ!陛下」


陛下は溜まっていた魔力を使って人間に戻るけどほぼほぼ全裸の状態だから大事な部分を隠す。


「陛下!急に人間にならないで下さいっ」

「大事な事なんだ!構ってられるか」


侍女から急いで服を渡して貰って隠し、急いで陛下の服を整える。


「王妃、そんな悲しい顔すんな。大丈夫だから」

「はい。返答をお待ちしておりますわ」

「愛してるよ。王妃」

「私も愛してますわ。陛下」


頬にキスをしてくれて会議室に篭ってしまった

陛下達。

信じるしかない。

陛下達の答えを。陛下を。




「んっ…」


いつの間にか眠ってしまった私はベットに横になっていて隣に陛下(大型犬)が眠っていた。


「陛下、お疲れ様です」


そう言ったら尻尾を動かして「そなたもな」と言われた気がしてポフンッと陛下に抱きついた。


「陛下…」

「ワン?(んっ?)」

「…陛下が言いたかった事はこれですか?」

「……ンっ…」


陛下が「帰ってきたら言いたい事がある」はこの隣国の王女を娶る事なんだと思った。


「陛下に従います。私は陛下の妻で王妃です」

「キューン…」


陛下(大型犬)の前足が私を抱き寄せてモフモフの体毛の中に入る。


「ふふっ。これはこれで幸せです」

「ワン?(何でだ?)」

「モフモフは癒しです。陛下も私の癒しですもん」


モフモフに包まれてまた眠くなって目を瞑ってしまった。

陛下はその横に頭を置いて目を瞑った。

私達は私達の愛があるもんね。

陛下に従いますから。



「えっ?迎えない?」

「はい。迎えないそうです」


また、急なお話だしどう言う事なのかしら?


「陛下に会いに行くわ」

「はい。王妃様」


私室で侍女に急いで支度をしてもらって陛下の

元へ走る。

私は昔からお転婆娘だった。

完璧な淑女になる為に日々こなして王妃になる為に勉強もして来た。


「陛下!隣国の王女を娶らないとは本当なのですか?」

「ワン(王妃)」

「本当なのですか?陛下」


魔力が戻ってないから大型犬のままだ。


「ワッワン。ワッー、ワン(隣国の王女は犬が嫌いだと)」

「えっ?はっ?」


隣国の王女は犬が嫌いだからこっちに嫁がない?

って事で合ってる?


私は、伯爵令嬢だから隣国の王女様が嫁いで来られて来たら私は第一王妃だけど格下になる。


「本当ですか?陛下!」

「ワン(あぁ)」


嬉しいです!

陛下を独り占め出来る事に嬉しくって陛下

(大型犬)を抱きしめた。


「陛下、ありがとうございます。大好きです」

「ワンワン。ワーン?(王妃。なら体でな)」

「陛下!朝からそんな破廉恥はれんちな事言うなんて…」


でも、嬉しいのは確かです!!


「陛下、嬉しい事がもう一つあります」

「ワン?(なんだ?)」


前足をそっとお腹に当てて笑った。


「私達の赤ちゃんがいます」

「ワッ…(なっ)」


体調が少しすぐれくって侍医に診てもらったら

“赤ちゃん”だろうとの事。


「ワンワン!ワーン(王妃!王妃!やったなー)」

「はい。陛下」


私の大好きな人は大型犬なんだけども幸せなのよ。


「陛下、楽しみですね」

「ワン(あぁ!)!」


赤ちゃんが産まれるのが先か、陛下の魔力が戻るのが先かどちらが先か楽しみだけども…


「陛下、愛してますわ」

「俺もだよ。王妃」

「陛下っ!!」


急に魔力を使って人間に戻る事はしないで〜〜!

大事な部分が丸見えですからね!


「王妃、愛してるよ」

「もぉ、陛下!先に服着て下さーい!!」


これはこれで幸せだからいっか。

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