なっなんで?!

第2話

ガチャ

「ただいまー」

って、まぁ誰も居ないんだけどねぇー

よし、愛しの洗面台で手を洗うぞー!!

ふんふん~♪


ジャー

キュッ

お気に入りのタオルで手を拭いて〜


突然だが私のお気に入りポイントを紹介しよう!

デデデデデデデデン!正解はこの椅子!

私が学校から帰ったら、洗面所にある小さな椅子に座って愛しの洗面所を眺めるのがルーティンなのである!


「今日も今日とて眺めるぞぉ〜!!」


上にぶら下がってるコンセント引っ張って汽車ポッポー。なんつって!!

実に面白くない!!

「へへへへ!」

こんな馬鹿な事をするのもまた楽しみの一つだ。


カンカンカンカンカン


ん?

お風呂場の方から踏切の様な音が聞こえる?


ガラッ


「何も無い、、、」

なんだろ?気のせいか!!


「ヘヘヘヘ!!」


私がまた馬鹿な事を再開すると、音がどんどん近づいて来てガタンゴトンと走っている音も聞こえてきた。


「ん?」

あまりに大きい音に無視できなくなり、お風呂場をもう一度覗こうとした時、、、


パッパー!!


「え?!?!」


お風呂の磨りガラスをすり抜けて、半透明な電車がやってきた。


「なになに?!?!え?!」


私か戸惑っていると、車掌らしき人が降りてきて


「どうぞー」

と合図をした。


次の瞬間、壁しか無かったはずの私の後ろから人の様な物が押し寄せて来た。


「え?!ちょ!!苦し!あの!ちょっと!!」


私が抵抗しようとする間に、大勢の人に押されて乗ってしまった。


「はーい行きまーす」


車掌らしき人がそう言うと、家の洗面所のドアをすり抜けて物凄いスピードで走って行った。


「え?!ちょ!!あの!あ!」

電車が満員すぎて私の言葉が響かない。

通勤ラッシュの様だ。


うっ、苦しい、、、




ん?なんかフワフワするな?

なんだ?なにこれ?猫?


フワフワ感触する方を見ると

猫だった。当たり。


でも所謂猫じゃなくて、でかいし二足歩行してるしなんか喋ってる!!!


それにびっくりして周りを良く見てみると、犬や猫の耳と尻尾が生えた人、なんだか髪の毛が燃えてる人、角が生えてる人、妖精の様に小さい人?などまるでファンタジーな世界の住人の様な人??が無数にいた。


な、る、ほ、どねぇ〜わかったわかった夢ね、夢夢。


そう思いほっぺを引っ張ると


めちゃくちゃに痛い。


全然痛い。ジンジンする。


頭がグルグルして沸騰しそうなので、とりあえず整理しよう。


私は人間ね。周りは人外だらけで、今謎の電車に乗ってる。そして夢じゃない。


あ、これってもしかして、、、異世界ワープとかいうやつか??


私の好きなアニメ、異世界にワープしたら悪役令嬢で賢者でハーレムチートスローライフだった件

略してイセワプと一緒?!?!


ちょっと嬉しいかも、、、


いやでも!もう洗面所を見れないのはいや!!

どーしよ、、、、



ま、いっか!!

こんな事滅多にないし楽しんじゃお!!


そう、、私はよく言えば楽観的、悪く言えばアホなのである。

まぁそんな所も私の魅力!!なんつって!


そう思うとなんだかワクワクしてきた!!


早く駅に着かないかなー!!!

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洗面所発、異世界行き 稲帆 @L_ove

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