84・幸せすぎて怖い…
第84話
「俺達も、挨拶に行こうか」
「はい」
リンがティスに手を差し伸べてその手を受け取り立ち上がった。
「ティス、大丈夫か?」
「えぇ。平気よ」
倒れてから過保護になったリンは人目も気にせずにティスを抱っこする。
「リン様!おやめ下さい!」
「ティス、無理してお前を失ったら俺は生きていけない。いいから」
「…はい」
最近またティスの体調が良くなくリンは心配して、挨拶の為に
「この体勢で失礼します」
「ティス王妃、体調がすぐれないから無理しなくていいですよ。兄上とお部屋に」
「ナニ王子様、コラ王妃様結婚おめでとう。末永くサポートに回れる事誇りに思うよ」
「ありがとうございます。兄上、王妃様」
リンはティスを抱っこして頭だけ
「
「あぁ。失ったら兄上は狂うだろうな…」
「今日は、街中もお祝いムードね」
「あぁ、明日まで続くだろう」
外の賑やかな雰囲気が伝わって来た。
「ティスの結婚式でもあるんだぞ?」
「えっ?結婚式終わりましたよね?」
抱っこされながらビックリしたティスはリンを見た。
「
祝ってもらってないだろ?寂しい思いさせた」
「…ふふ」
ティスは、笑ってリンの頬を触り撫でる。
「ティス?」
「二人だけの結婚式は二人だけの秘密で嬉しかったです。だから寂しくありません」
「ティス…」
リンは立ち止まって、ティスはリンの頬を触って顔を近付けてキスをする。
「リン、私に幸せをありがとう」
「今以上に幸せにする」
「ありがとう」
笑って涙が溢れるティスの目にリンはキスを落とす。
「幸せ過ぎて怖い。
「当たらないよ。俺を幸せにして?ティス」
もう一度キスをした。
その後、ティスの体調が悪くなってベットから起き上がれなくなった。
「侍医!どうなってる!?」
「産後肥立ちが悪さをしてるのだと…」
「早く治せ!」
体調の悪いティスを見て自分が何も出来ない事に苛立ちを隠しきれなかった。
政務が残ってるから書類に向き合わずにティスに向き合いたいのにそれも出来ない苛立ちにリンは怒りを爆発させていた。
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