81・気になるのよ。ティス王妃が!

第81話

「ティスはもう王妃だから、この話はしておく。

これはリン王子からも言われてる事だから」

「?。分かったわ。何?」


お茶を飲みながらハイアの言葉に耳を傾ける。


「あの婚約者ヒナダリ、本当はリン王子か

ナニ王子のどちらかの婚約者として立っていたの」

「そうなの…」

「リン王子は、サポートに回るから好きな女性を王妃にするって言ってあのヒナダリがナニ王子の婚約者・・・になったのよ」

「あのヒナダリは、リン様が好きって事もあるって事ね」

「そういう事!」


ハイアは、ティスが飲み干したお茶を注いだ。


王妃・・になってからも大変なのね」

「そうね。でも、やり通せるでしょ?」

「まぁ、頑張るわ」


ハイアと苦笑いして、お茶を飲んだ。


「リン王子に言う?どうする?」

「言わないわ。女同士の事。男には関係ないし」

「そうね。私はティスの味方よ!」

「ありがとう。ハイア」


カップをテーブルに置いてハイアに笑いかけてハイアも笑い合った。




「ナニ王子様、カルティロス王妃様・・・の身分は何ですの?」

「どうした急に?兄上に聞いてみないと分からないな」

「そうですの…」


ヒナダリは、王妃教育・・・・は終わっているので今は政務室でナニ王子の手伝いをしていた。


「では、王妃教育は?」

「それはまだだと思うよ?でも、兄上は私のサポートに入るから最低限のみの教育だし、コラより半分以下の教育だよ」

「そうですか…」


自分ヒナダリは、みっちり受けた王妃教育を“半分のみ”しか受けないティスに苛立った。


「そんな方がカルティロス様の王妃なんて…」

「まぁ、コラがこのナウロスタニの時期王妃になるから別に気にしなくたって良いじゃないの?」

「そうなのですけど…」


本当は自分ヒナダリがリンの婚約者・・・になると思っていたのが第二王子カミロティス婚約者・・・になってしまった。


(好きな人と結婚したかった…)

「コラ、これをお願いしていい?」

「はい。ナニ王子様」


ナニとコラは家柄同士・・・・政略結婚・・・・


「ナニ、この報告書はそっちだろ?」

「兄上!すいません。こっちですね」


政務室の扉が開いてリンが報告書を、持って入って来た。


「カルティロス王子様、こんにちは」

、こんにちは。ナニ、こっちは」

「こっちは兄上の方です」


リンは、その一言だけ言って仕事に戻る。


(カルティロス王子様…手が届かない相手ですけど好きでいます)

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