79・世継ぎは沢山??

第79話

リンは、ヤリーに急かされて執務室に戻り、

ティスは、ハイアに着替えを手伝ってもらう。


「独占欲丸出しね〜」

「…うん。ハイアにしか見せられないよ」

「まぁ、でも幸せそうでよかったよ」

「…うん」


抱き合ったが沢山体に付いていてハイアは呆れている。


「ハイア…」

「ん?何?」

「…生死を彷徨っていた時にね」

「うん」


ハイアは、ティスの髪型を整えながら聞いていて手を止める。


「あの時、“おりてしまった赤ちゃん”もいた」

「…そうなの…」


ハイアは手を止めてティスの方を見る。


「テリーより小さい小さい赤ちゃんだったよ」

「そう…」

「…その子を抱いていたら命が無いと思ったわ」


ハイアは、ティスを後ろから抱きしめた。


「その子には悪いけどティスが今!私の目の前に居てくれて嬉しい」

「ハイア…」


身籠ってストレスで“流れてしまった”ティスの赤ちゃん。

その後、奇跡的に赤ちゃんを再び身籠って今の

テリーが居る。


「テリーには、“その子”の分まで生きて欲しいわ」

「そうね。生きてもらわないと!」

「うん」


身支度を終えてテリーの方に行き頬を触る。


「夜はリン様に手加減してもらうから大丈夫だと思うわ」

「手加減しないわよ!世継ぎは沢山って言っていたから」

「……?えっ?」


ハイアに「世継ぎは沢山作る」と豪語していたそうだ。


「リン様が手伝ってくれるから良いけどね…」

「いいんだ。まぁ、頑張って!」

「ハイア〜〜他人事だと思って〜」

「他人事だもん」


二人笑い合って、ティスはテリーから離れて椅子に座りハイアは、お茶を出す。


「リン王子の王妃・・なんだからドーンと構えてなさいよ」

「…うん」


王妃・・と聞いて肩を落とした。まだ実感ない。


「ナニ王子の婚約者って何か読めないのよね」

「ナニ王子の婚約者?」


ティスは、緊張し過ぎて顔が覚えてないのが正解だと思った。


「まぁ実際、第二王子カミロティス婚約者・・・だから変な事はしないと思うけどね」

「気をつけるわ」

「私もいるから!」


ハイアの野生的な勘に侮ってはいけないと思っていたティスだから気をつける事にした。



「ティス〜」

「リン…お願いだから加減して…」


言葉通りテリーは、乳母に預けて夫婦二人夜・・・・・を激しく迎えるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る