64・引っ越しです

第64話

「言うつもりなかったのに〜」


リンの熱烈な告白にほだされて気持ちを伝えてしまって晴れて両思いは嬉しいけど複雑な

感情だった。


「お早うございます」


城に入る時に許可証を見せて入って行く。

下女の入り口は別の場所にありその場に向かったら知ってる人が立っていた。


「…お早うございます。ヤリー様」

「お早うございます。ランティス嬢」


ヤリーと朝会い偶然ではないなと思った。


「貴女様のお荷物全て運びさせて頂きました」

「はっ?えっ?何処に?」


ヤリーの言葉に付いていけなくって混乱した。


寵姫・・のお部屋・・です」

「はっ?もっと意味が分からない…」

「帰る場所は別荘では無いのでお間違えしないように」

「ちよっ、ヤリー様っ!」


ヤリーは、そう言って去って行き取り残された

ティス。


「寵姫の部屋って何なのよー」


仕事中も休憩時間も悶々としていて頭の中グルグル回っていた。


「よしっ!終わったから別荘に帰ろう」

「お待ちしておりました。ランティス嬢」

「ヤリー様っ…」


待ち伏せさせられていて有無・・を言わさずに部屋を案内された。


「今日からここがランティス嬢のお部屋です」

「あの!ここは…」

「別城のリン王子関係の住居です」

「なら、私は無関係でダメですよね?」

「いいえ。ランティス嬢様…いいえ寵姫様」


ヤリーがティスの目の前で頭を下げる。


「ヤリー様?」

「貴女様は、カルティロス・リン・ナウラリ様の“ただ1人”の寵姫様でございます」


ヤリーはそう言って頭を上げる。


「リン王子が、帰ってくるまでゆっくりお過ごし下さいませ。何かあるならお申し付け下さい」

「ヤリー様!!」


パタンっと扉が閉まってしまって1人になった。


「寵姫の部屋って…リン様に問わないと!」


ポフンッとベットに座って寝転がった。


「気持ちいい〜」


フカフカして気持ちよくて目を瞑ってしまった。

そのまま眠ってしまったティスだった。


「ティス、風邪ひくぞ?」

「ううんっ…。リン様?おかえり…なさい」

「ただいま。見た目より眠いんだな」


リンは布団をかけてなかったティスに布団をかけて頬にキスをする。


「まだ、ゆっくりお休み。ティス」

「うん…。大好きよ。リン様」

「俺も好きだよ。ティス」



寝ぼけ眼のティスに笑って答えたリンは、再び執務室に戻っていた。

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