63・お互い告白しました

第63話

「どーして一緒に寝るのですか!!」

「久しぶりに一緒に寝るな。嬉しいな」


ベットに腕枕されているティスの隣に当たり前の様にリンがティスを抱きしめていた。


「ティスの背中が密着してるから久しぶりに寝れる気がするよ…」

「私は子供じゃありませんよ!リン様?」


リンにガッチリと抱きしめられていてリンの顔が見れないけど寝息が聞こえてきた。


「リン様、本当に眠れなかったのですね」


リンの指と自分ティスの指を絡めた。


「私も眠れなかったです。この腕が恋しかったです」


ボソッと呟いたら頭にキスをされたから驚いた。


「リン様!起きていたのですか?」

「起きてた。ティスの素直な言葉が聞けて嬉しいよ」


自分ティスの顔が真っ赤になっているのが分かってリンに見られなくて良かったと思った。


「ティス、聞きたい」

「はい。何ですか?」

「この子の父親は誰?」


お腹を優しく撫でて耳元で聞いて来た。


「リン様に関係ありません」

「そう。俺の子なんだね」

「違い…っ」

「ティス!平気か?」


ガバッと起き上がったらお腹が攣った。


「赤ちゃんがビックリしたんだな。ママは慌てん坊さんだからな」

「リン様…」


ティスはリンに本当は言いたかった。


「貴方が父親なのよ」…と。


でも、もうリンは知ってるけど知らないフリと言うかそれ以上追求して来ない。

それは、リンの王位にもかかっているからだ。


「ティス、俺の言葉を信じて!と覚えてる?」

「…貴方の言葉は忘れた事はないわ。唯、約束を破ってゴメンなさい」

「ティス…」


ナウロスタニに一緒に行く』と言った事を守れなかった。


「それは良いよ。こうして一緒にナウロスタニに居るだろ?泣かなくて良いよ。ティス」


泣いていたらしく涙を拭き取ってくれたリン。


「俺は、ティスしか愛してない。これだけは本当だから」

「リン様?」


リンからの告白にビックリしたけど別の涙が流れた。


「私も…私も、リン様をお慕いしております」

「ティス!!やっと言ってくれた!」

「やっと?」

「あぁ。抱き合ってる時は無意識に“好き”って言ってくれてたけどね」

「なっ〜〜」


恥ずかしくなって顔を伏せたら顔を上げられてキスを落とされた。


「んっ…はぁっ…」

「ティス、愛してるよ」


リンの熱い告白に自分の気持ちをぶつけてしまった。

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