49・大親友のハイア

第49話

「カルティロス・リン・ナウラリ王子からでございます」

「まぁ。カルティロス王子私わたくしにこのドレスを贈ってくださるなんて嬉しいわ」

「カルティロス王子、ラリーネを好んで下さっているのですね」

「……」


リンがどの理由でラリーネにドレスを

贈って食べ物も贈ってるか分からなかった。


わたくしハイア・カルと申します。お見知り置きを。そして、ランティス様を少しお借りします」

「いいわよ〜」

「ありがとうございます。では、行きましょう」

「あっ、はい。ハイア様」


部屋から出て行ってティスの自室に向かう。


「ハイア!会いたかったわ」

「ティス!私もよ〜〜」


2人とも笑って抱きしめあった。


「お腹大きくなった?」

「うん。少しポッコリしてきたかも…」

「でも触らないと分からないわね」


ハイアは優しくお腹を撫でる。


「本当は、リン王子に撫でてもらいたいんでしょ?知ってるわよ」

「うん。でも、それは無理だと諦めているから」

「……」


お腹が少しずつ大きくなってここでは出産出来ないから夜中に抜け出ていくつもりでいたティス。


「ティス、夜中出て行く時は私も手伝うからね」

「ハイア?!」


ティスの考えにハイアは当ててしまって挙動不審になったティス。


「もぉ、私にも手伝わさせて!」

「…よろしくお願いします」


よしっ!とした顔をしてポッケから手紙を出して鞄から服を出した。


「これ、リン王子からティスによ?」

「リン様から?この可愛い服を?」


動き易いパンツスカートワンピだった。


「手紙も嬉しいし、この服も可愛いくて嬉しい。あれっ?ラリーネに渡したのは?」

「ティスと2人きりになる為の誤魔化しよ。アッチはヤリーが、選んだから趣味が悪いったら」


ティスが握っているワンピはもしかして…とハイアを見たら笑って頷いた。


「嬉しいわ。リン様、ハイア!ありがとう」

「その笑顔を見たかった。早く城に戻ってきて」

「戻りたいわ。でも、許可が下りなくて」


何故か城からの許可が下りない。


「モウ様に言っても無理なのよね。何故?」

「分からない。でも、お腹大きくなるから丁度良いかな?って思ってる」

「ティス…」


ハイアは、そう言ったティスを抱きしめた。


「何処に居ても私はティスの親友よ!」

「うん。ありがとう」


親友同士また抱きしめた。

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