47・姉のイジメ

第47話

無事にリンも一緒にお忍びデートならぬ買い物を済ませ、別れる。


「また、会いたい」

「リン様、ヤリー様に怒られますよ」

「そうです!」


いつの間にかヤリーも居て驚かなくなった自分に当たり前と感じてる自分に逆に驚く。


「ヤリー様、お元気でしょうか?」

「ランティス嬢も元気ですか?」

「はい。元気です」


ヤリーが一瞬だがティスのお腹に目線を落としたが再び目が合う。


「さぁ、行きますよ。リン様」

「ティス、また手紙を書くから」

「クスッ、はい。書きます」


無理やり乗せられたリンとヤリーの乗った馬車は走り出した。


「〜〜っ」


家に向かって歩き出そうとしたらお腹が一瞬

引き攣りお腹を触る。


「嬉しかったのね。パパだもんね」


お昼までには間に合っても義母に文句を言われるがもう気にしない事にした。

客間にて待ち構えていた義母と姉に買ってきた物を渡す。


「不正した訳じゃないわよね?」

「はい。そんな事しません!」

「どうだか。いやしい娘だし」


ラリーネ亡母なきははの血が継いでいるのにランティスのみ“卑しい”という

義母。


「まぁ、いいわ。次裏庭が残ってるわ。早く掃除しなさい」

「はい。失礼します」


ティスは、頭を下げて部屋を出た。

一言も発しなかった姉の沈黙が怖いと思った。



「ここも結構汚れてるわね」


箒を持ちながら塵取りをでゴミを吐き出して行く。


「ランティス」

「あっ、はい。ラリーネ様」


裏庭にわざわざ姉がティスの所まで来た。


「ねぇ、ランティス。さっきの馬車って友人?」

「!!」


“家の角の死角のを見られた!”と顔が真っ青になった。


「友人が手伝ってくれたんです」

「そうなの。だからをかいてないのね」

「ラリーネ様?」


ジリジリと大きな池がティスの後ろまで迫っていた。


かかないといけないわ。だって買い物して来たんですもの」

「ラリーネ様、おやめ下…」


抵抗しようとしたら頬をパーンと叩かれて池に落とされた。


「あははは。ちゃんとかけるでしょ?」

「わっ!あっ!助けて…」


ラリーネは、面白おもしろおかしく見て笑って去って行ったからティスは、慌てて自身を立て直して池から上がる。


「赤ちゃんが…」


ティスは、慌てて震える体を叱咤して立ち上がってびしょ濡れの体を摩りながらお腹を守りながら自分の部屋に向かう。

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