46・2人とも久しぶりに…

第46話

「ふぅ…疲れた」


久しぶりの自分の部屋のベットに座った。

帰って来てから一回も座る事無くずっと動いていて座れたのがもう月がてっぺんまで来ていた。


「お疲れ様、私の可愛い赤ちゃん」


お腹を摩って労わる。


「明日っていうかもう今日ね。疲れた…」


ゆっくりベットに身を任せた。

一人で寝るのは久しぶりだった。

最近はハイアが一緒に寝てくれてその前はリンと寝ていた。


「リン様にハイア、もう会いたくなちゃった」


まだ1日も経ってないのに寂しく会いたくなった

ティス。


「心休める場所がココじゃなくてあのお城なんてね…」


クスッと笑ったけど静寂の闇に消えていった。


「さぁ、今日も早いから寝よう」


布団に潜り込んで目を瞑って直ぐに眠りについた。




「ランティス!今日の買い物はコレよ!」

「あっ、はい。お義母様!」


朝食を出してる時に父親の姿を見て元気にやっていて安堵した。


「お昼までに帰ってくるのよ!」

「あっ?はい」


お昼までとはあと2時間しか無い事に気付いて慌てて持っていた箒と塵取りを片付けて買い物に出掛ける。



「淑女を待たせなくて良かったよ」

「!!」


角を曲がったら庶民の格好をした男の人がティスに声をかけてきたと思ったら見知ってる男性だった。


「…どうしてココに居るのですか?」

「今日の買い物は何?」


寄りかかって腕を組んで立っていた男性はティスの質問に答えずに自分の質問を優先した。


「どうしてココにいるのですか?」

「どうして?秘密の密会ごっこ?」


そう言ってティスを抱きしめた。


「ティス、1日ぶりだね。寂しかったよ」

「1日ですよ?半月も戻らなかった人に言われたくありませんよ」

「言い換えれば寂しかったって事だね?」

「〜〜っ」


当てられていて恥ずかしくってリンの顔が見れなかった。


「さぁ、買い物しょう。お姫様」

「買い物するお姫様って…」


笑ってリンを見たら、リンがティスの唇を急に奪った。


「んっ…」

「ティス…ティ…」

「んんっ…」


久しぶりのリンの口付けに蕩ける様に体に力が入らなくなる。


「リン様…のバカ」

「ティス、もう一回しょ?」

「はい。もう一回して?」



2人、お互い抱きしめて道端なのに死角になってる所でもう一度キスを交わした。

甘く蕩ける様なキスに何度も何度も。

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