45・また始まる日々

第45話

「さぁ、働きなさい!クズのアンタにやってもらう事は沢山あるよの!」

「そうよ。まずお茶が欲しいわ」


家に着くなり義母と姉・ラリーネが本性を現した。


「お義母様、ラリーネ様、お父様は?」

「あらっ?言ってなかった?」

「元気にしてるに決まってるじゃない」

「!!」


騙されている事に本当はティスは気付いていた。

でも、本当に病気だったら目覚めが悪いから家に帰って来た。


「それなら良かったです。お茶お淹れします」

「早くしなさい!このノロマ」

「お義母、カルティロス様〜私をお側に置いて下さらないかしら?」

「こんな可愛いラリーネだから舞踏会の時にカルティロス様にもう一回言いなさい」

「分かりましたわ。お義母様」


2義母と姉の会話を耳で聞きながら部屋から出て行った。


「何としても守らないと…」


2義母と姉に赤ちゃんを身籠ってるなんて知られたら堕胎だたいされる事に決まってるのを知っているティスは、絶対バレない様にしようと誓った。


「お待たせしました。お茶でございます」

「遅いわよ!このクズ」


最初に言うのはラリーネの方で次が義母と決まってる。


「もっと早く出せないの?アンタ侍女・・じゃなかったの?」

「私は、洗濯物とか食器洗いとかです」

「あぁ、下女ね。似合うわー」


ラリーネは、笑ってお茶を飲むが顔が歪みティスを睨み付ける。


「ランティス!私の近頃の好きなお茶で無いわ!アンタ間違えたのね!」

「あっ…申し訳ございません。ラリーネ様のお好みが変わったのを把握しておりませんでした」


ティスは、慌てて床に座り頭を床に付ける。


「ラリーネ、誰でも間違えるわ。最近居なかったから仕方ないでしょ?」

「……っ」


義母がティスを庇う様に言うが笑ってティスを招き寄せて自分の足元まで寄せる。


「申し訳…ございません」

「あらっ?聞こえないわよ?ランティス?」

「……申し訳…」


上からお茶がティスに注がれ服が床がびしょ濡れになっていく。


「お義母のドレスの裾も濡れてますわ」

「あらっ、大変。着替えが必要ね。ラリーネ

貴女もよ」

「そうね。汚い物と一緒の空間に居たんですもの。着替えないと…」


2人は立ち上がって部屋から出て行く時に、義母がティスに伝える。


「そこ、汚いから綺麗にしておきなさいよ」

「はい」


返事しか出来なかった。

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