40・カスロイル・アン・ウィンア嬢
第40話
ハイアと考えた解決策は、①ハイアと夜一緒に寝る。②極力、リン様の側に行かない③カスロイル・アン・ウィンア嬢を使う…と言う事になった。
「待った!!①は分かる。②はリン様お抱えの侍女よ?無理じゃない?③はなんて事言ってるよ、ハイア」
「あらっ。知られたくないんでしょ!なら徹底的に隠すわよ!」
「…あっ、はい」
これ、拒否出来ない解決策だなって思った。
「とりあえず、侍女長に抱え侍女を、外してもらうわ。私からも言っておく」
「リン様が納得する訳ないと思う…」
「いいのよ!!無理矢理納得してもらうから」
強硬手段に出るんだなって思ったティスだけど、
この子を守りたいと願いお腹を優しく触った。
「母親ね!」
「そう?ありがとう」
赤ちゃんを守らないといけないのが働いているのだろうか。
「私の赤ちゃん、ママと頑張ってね」
赤ちゃんに話しかけてしまうのもティスの無意識でハイアは最初ビックリしたけど微笑ましかったのも事実だ。
「さぁ、部屋から出るわよ!ティス」
「えぇ。いつも通りに振る舞うわ」
今までハイアの部屋に居て2人は仕事に行く為に
部屋を出る。
「ティス、次の仕事は?」
「客間で待ち合わせをしていたからその片付け」
「分かったわ。行きましょう」
部屋を出てハイアと話しながら行くと丁度、視線の中にカスロイル・アン・ウィンア伯爵令嬢が
リンと廊下で楽しそうに話していた。
〈ティス、平気?〉
〈平気よ〉
内緒話して2人の視界に入るとリンが一瞬引き攣った顔をしたけど元に戻った。
「リン王子。カスロイル・アン・ウィンア伯爵令嬢さま、おはようございます」
「おはようございます」
立ち止まって2人にお辞儀した。
「おはよう。淑女らしくなく立ち話でリン王子と話していたわ。リン王子、エスコートして頂けますか?」
「…喜んで。カスロイル嬢」
リンの手にカスロイル嬢の手が乗っかるのを見てティスは、慌てて視線を逸らした。
「リーン!おぉっ、カスロイル嬢。リンと一緒でしたか」
「クッシナン様。お早うございます」
カスロイルは、リンの手を離して綺麗なカーテシーをモウの目の前でする。
「さすが伯爵令嬢ですね」
「ありがとうございます」
モウとカスロイルの挨拶が上品な挨拶だなと感じたティスだった。
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