39・感情が…

第39話

「嬉しいなら嬉しいで喜ばなくちゃ!」

「リン様の王妃様候補が今日来ちゃったから…。

ハイア、お願いよ!」

「分かってるわ!!無事に産まれるまで黙ってるわ!リン王子とティスの2人の赤ちゃんみたい!」


ハイアは、優しくお腹を撫でるからクスッと笑ったティス。


「ココに小さい赤ちゃんがいるの不思議よ。

くすぐったい」

「私も欲しくなちゃったわ。頼もうかしら?」

「ヤリー様に?」

「そう。ヤリー様って!ティス!?違うからね!」


慌てて否定して真っ赤なハイアに納得がなく笑ったティス。


「ハイア、隠さなくたっていいわ。応援する!」

「ティス…黙っていてね…」


ハイアは、アタフタしていてようやく落ち着いたのかティスの隣に座った。


「ティス、とりあえず重たい物は私が持つわ」

「うん。ありがとう」

「問題は、リン王子ね!」

「うん。赤ちゃんがお腹にらいるからあの夜の営みもそっちに気を取られちゃって…最近激しいの…」

「あら、まぁ」


友人に夜の営みを説明するのは恥ずかしかったけど言わないと解決策が見つからないと思って思い切って話した。


「うーーーん。あっ!」

「なに?ハイア」

「月ものが来ちゃったで、少しは伸ばせるでしょ?その後ちょっと体調が悪いで伸ばせない?」

「あっー…ダメ。月ものは大丈夫だと思うけど体調悪いのは直ぐに侍医・・を呼ばれちゃう」


ハイアは、それを聞いて頭を抱えた。


「侍医なんて呼ばれたら一発でアウトよ!直ぐバレるわ」

「そうでしょ…」


2人、無言になり解決策が行き詰まった。


「ヤリーに言うとか?」

「ヤリー様に言ったらハイア!すぐリン様の耳に入っちゃう!!」

「うー…ん。そう?結構な勢いで口硬いよ?」


ハイアがヤリーの恋人でもヤリーはリンの従者で次期宰相でもある地位の方。


「ヤリー様だっていい顔しないわ」

「なんで?リン王子は、将来弟のサポートにつくんだから実質第二王子だよ?」

「だって男爵令嬢の赤ちゃんなんて誰も祝福しないわ」

「ティス、落ち着いて!赤ちゃんに響いちゃう」

「ハイア、どうしたらいいの?感情が昂ってどうして良いか分からないの」


感情の凹凸が激しく自分で1人抑えていたけどハイアに言ったら“それ”が爆発した。


「ティス、大丈夫だから」

「ハイア、ゴメンなさい」


謝るしかなかった。

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