17・また…約束
第17話
「ふぅー…。逃げるのが大変だった」
ティスは、あの後急いで着替えてハイアの所に行った。リンからは何回も呼び出しがあったが応えずにいて逃げ切ったか分からないけども今は
ゆっくりして後は寝るだけだ。
「明日、もっと怖そうだけど…うん!大丈夫!」
電気を消しベットに入り込み目を瞑る。
疲れていたのか
「…重っ…」
何か重い感覚を受けて目をうっすらと開けると
この部屋に居ない人間が瞳に映り込む。
「!?」
「やっと起きたな。ティス」
「リン様っ!?」
名前を出してしまったけど慌てて口を押さえた。
リンがティスの上に乗っていた。
「どうして、ここにいるのですか?」
「ティスが逃げるから捕まえに来た」
「逃げるって…そんな…」
「逃げていただろ?ティス?」
リンがティスの髪の毛を触り一房持ち上げてキスをしたのを見てドキッと心臓が高く鳴った。
「どうしてびしょ濡れだった?ティス?」
「転んでしまったのです!」
自分にとってびしょ濡れはどうって事ない。
ご飯をダメにしてしまった事に心が痛い。
「ティス、裏庭から来ただろ?」
「…はい」
「裏庭には濡れになる場所はないんだよ」
「えっ?」
「いつだか泥沼に突き落とされた人間がいて、
それを撤去させた。それから裏庭に
ティスは、泥沼に突き落とされた本人。どうしてその事をリンが、知っているのか不思議だったけどティスは「濡れたのは自分の不始末」とリンに言い切った。
「ティス、責めてる訳じゃないよ」
「リン様…」
リンが悲しそうな顔をする。
「もっと自分を大切にして欲しいんだ」
「リン様?」
リンはティスの手を握ってティスの指にキスをする。
「!!」
「こんなに手が荒れて自分を労って欲しい」
「リン様!恥ずかしいので離して下さい!」
ティスは、リンから手を抜けようとしても強く握られていて抜けれない。
「ティス、約束してくれ。自分を大切にすると…」
「分かりましたから、下りて下さい!!
リン様!」
リンはティスと約束をして横に寝転がってティスの頬を触る。
一緒のベットに寝転がってるなんて夢みたいに思っていた。
「リン様、戻らなくてよいのですか?」
「あぁ、まだいい」
リンの目が優しくティスを見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます