89・一緒に幸せに♪

第90話

その後、順調に育って臨月に入った。


「ママ?痛い?」

「大丈夫よ。恭一」


仕事も育休に入って雅之も産まれたら育休に入ると言ってくれて心強い。


「これなら…いつでも痛っ…」

「真弥!よしリハーサル通りにやるぞ」

「慌てないでね」


本番に備えていつ陣痛が来ても良い様に練習していた。


《もしもし、井口ですけど…はい。はい》

「っつ〜〜」


痛いけどこれ何時間も、かかる?

いやっ、2人目だから5.6時間で産まれるか?と思った。


「ママ、痛いね。痛いっ」

「恭一…大丈夫だから。パパをお願い…ね」


お腹をさすって痛みを和らげるけど痛い!!


「真弥、歩けるか?歩けないな」

「……」


雅之が支えてくれて恭一と車に乗り込む。


「奥様!私が付き添いますから」

「宮城さん、ありがとうございます」


女の人の宮城さんなら心強い。

男2人泣いてるんだもん。


「真弥!もうじきだからな!」

「ママッー!あーん、あーん」

「……恭一、泣かないの」


産まれる赤ちゃんよりコッチが心配になるわ。


「先生!真弥が…」

「落ち着いて下さい。まだ産まれませんから」

「そうよ。落ち着いて?」


メチャ痛い痛みに耐えて4時間後……


「おめでとうございます!女の子ですよ」

「!!」


性別は敢えて聞かず産まれてからの楽しみにした。


「恭一!妹だぞ?お兄ちゃんだな」

「にーに?」


綺麗にしてもらってガラス越しに見てるだろう

私達の赤ちゃん。


「真弥、お疲れ様」

「雅之」


産んでベットで休んでいたら雅之が涙ぐんで

来た。


「どうかしたの?」

「産んでくれてありがとう」


ベットサイドに来て椅子に座る。


「可愛かった?」

「お嫁に出したくないくらい可愛かった」

「えっ?もう?早くないっ?」


もうお嫁さんの心配してる雅之に笑った。

この後私達それぞれの両親が慌てて来て賑やかになって心配してくれた。


「雅之…」

「んっ?」

「幸せにしてくれてありがとう」

「まだまだ幸せにしてやる」

「うん。ありがとう」


私達の赤ちゃん、ようこそ私達の元へ。

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