84・さぁ、どっちかな〜

第85話

白鳥家の玄関を出たら固まりました。


「真弥ぁ?何でココにいるかなぁ?」

「えっーと…。気になりましてね」


まさか会うなんて思ってもみないわよ。

そういえば「見舞い」に行くって言っていたのを思い出したけど今日なんて聞いてない。


「真弥。すぐ終わらせるから車の中で待ってろ」

「…はい」


大人しく車の中で待ちます。

ものの10分くらいで戻ってきて乗り込みます。


「さて、説明をしてもらおうか」

「白鳥さんに会いたかったから?」

「なんで疑問系?」


会いたかったのは本当。

理由は言わない方が良いと思うんだよね。


「もう、愛羅に関わるなよ?」

「出産お祝いくらい良いでしょ?」

「100歩譲ってそれだけだ!」


どれだけ他の人を思うの嫌なのよ…雅之はっ。


「体調は平気なのか?」

「どうして、それを?」

「?。愛羅が言っていた。体調悪そうだったよって」


白鳥さん〜雅之にもバレてるじゃないの。


「雅之も勘づいていたの?白鳥さんの事」

「愛羅の事?なんとなくな」


小さい頃から一緒に居るって伊達じゃないわね。


「雅之…あのね」

「ちょっと待った、電話だ」

「あっ、うん…」


雅之は電話に出て忙しそうだった。

こんな忙しい時に言っちゃいけないから後で言おうと思った。


「ごめんな。これから会食だ。で、どうした?」

「ううん。何でもない。頑張ってね」


ちゃんと調べてから雅之に言いたい。


「真弥、病院に行こう。体調悪いんだろ?」

「雅之、これから会食でしょ?」


有無を言わさずに雅之は病院に向かう。


「体調悪いなら診てもらわないと」

「そうなんだけど、まだ平気だから」


だって間違いかも、しれないけど……んっ?

指折り数えて計算するけど不順だからなぁー…と思った。


「大丈夫だから!雅之。お家帰って横になるから」

「気分悪くなったらすぐ言うんだぞ?」

「分かったわ」


大事おおごとにしたくない。

遅れてるだけ…そう。遅れてるだけよ。


「よし!買ってきたからいざ!検査薬」


ドキドキする。

陰性か陽性か…どっち??

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る