78・休みでも…

第79話

明日、お祖父様とお義父様に会う為休みなのだけども雅之は家の中でも仕事の件で話をしていた。


「……」


私はソファーで読みかけの本を読んでいた。


《分かった。その件は任せる。あっちは?》

「……」


長年の夫婦のような“あれ”“その”で分かってしまう宮城さんとの関係が凄いと感心してしまう。


「休みの日なのにかけてくんなよー」

「お疲れ様」


雅之が携帯を握りしめてソファーに来て頭を私の足の上に乗せて寝転がった。


「電話かかって来ても出ない!」

「なに、子供みたいな事言ってるのっ」


たまに子供みたいな事言ってるから笑えるから笑うとグイッと引っ張られ顔が近くに来た。


「そんな男が好きなんだろ?」

「…好きよ?」


笑って返した。


「真弥は俺を翻弄ほんろうしてるだろっ!」

「してないわよ!もおっ!」


読みかけの本を読み始めたら急に左手を絡めて来た。


「どうしたの?雅之」

「指輪は?」

「あるよ。ちゃんと大事に取ってある」


雅之から貰った大事な指輪。


「明日、付けていけよ?」

「うん」


本を置いて雅之の話に傾ける。


「お前は俺のモノって証だからな。真弥」

「うん。私は雅之のモノだよ?」

 

雅之が手を離して自分の顔を両手で隠した。


「?。雅之?」

「お前、なんでそんな事言う訳?」


別に普通の事言ったんじゃないかしら?

何処か変だったかしら?


「あー…抱きたくなるだろ!!」

「抱いてもいいと…思うけど…」


私だって雅之が欲しいって思ってるよ?


「真弥〜〜」


雅之は起き上がって私の方を向いて両頬を包んで唇を近づけるけどそのタイミングで電話が鳴る。


「雅之、電話鳴ってる!鳴ってるから」

「お前とのキスが最重要事項」

「違うからね!絶対電話!」


最重要事項が逆!逆!

もぉ、何を言っているんだか!


《もしもし?宮城?》


雅之は今日休みなのに電話とパソコンと向き合ってる…社長業だもんね。


「よしっ!元気メニューを作ろう」


もうじき昼食。

だから雅之に午後も頑張って欲しいから作ろうと決めた。

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