77・仲直り

第78話

恭一が隣でスヤスヤ眠って、時計を見たら午前4時前だった。


「喉乾いた…」


起き上がってリビングに行こうとしたら電気が点いていて隙間から覗いたら雅之だった。


「俺はなんであんな言葉を?真弥だけを愛してるくせに」


雅之が頭を抱えていて胸がキュンってするの。

水を飲むのを諦めてベットに再び潜り込む。


「雅之…」


雅之から言葉も愛も沢山沢山貰った。

貰ったから白鳥さんに返さないといけない。

雅之と離れるのは嫌だ。

嫌だと心が言うのに頭は何処か冷静だ。


「ふっ、自分勝手な女よね。本当に」


出てきた言葉は暗闇に消えた。


「あちゃー、やっぱり目が腫れてる」


朝方泣いたから目が腫れるのは仕方ない事。

でも、これを見たら何か言うかも知れない。


「……」


恭一はまだ眠っているからその間に朝食をと、

キッチンに向かったらいい匂いが漂って来て扉を開けた。


「…おはよう」

「…おはよう」


雅之がエプロンを着けて朝食を作っていた。


「飯出来てる」

「…うん、クスッ」

「?。真弥?」


焦げたウィンナーと目玉焼きに愛情を感じてなんだか昨日の喧嘩がどうでも良くなってきてしまった。

あんなに怒る事なかったし白鳥さんに渡すなんて無理なのよ。

だから雅之の所に行き雅之と目線を合わせる。


「真弥?」

「この前のお返し」


雅之の両手が塞がっているからこれはチャンスと思ってエプロンを捲ってズボンの上から触る。


「真っ…」

「ふふっ。気持ちいい?」


ビクッと体が反応していて可愛い。


「真弥…ごめんな。お前だけ愛してるよ」

「雅之、私もごめんなさい」


キスをして舌も絡める。

雅之をやっぱり誰にも渡したくない。


「ママ?パパ?」

「うきゃあ!恭一!おはよう」


恭一が後ろに居てビックリして慌てて座る。


「お腹空いたね。早く食べようね。今日パパが作ったんだよ?」

「うれちい」

「そうか。良かったよ」


笑顔で3人で朝食した。

昨日の喧嘩引きずらなくって良かった。


恭一は案の定、お義母様に連れられて私と雅之だけになりました。

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