75・モヤモヤする

第76話

「母さん、どうしたんだ?」


雅之も帰ってきて対面に雅之で隣に私が座る。


「お祖父様と父さんの日にちが空いたわ。明後日よ」

「明後日か。分かった」

「明後日…」


明後日、雅之のお義父様とお祖父様に会う事になる。


「真弥ちゃん」

「はい、お義母様」


名前を呼ばれて慌ててお義母様の方を見た。


「恭一は私が預かって後で行くからね〜」

「はい。よろしくお願いします」

「は〜い。恭一を、楽しませないとねー」


お義母様は早く恭一に車を見せたいみたいだった。


「真弥、いつの間に母さんを?!」

「お義母様って?いつって…」

「あらっ。私の娘なんだから当たり前じゃない」


躊躇なく“私の娘”って言って下さって嬉しい。


「雅之、万全の対策してきなさいよ」

「はい。母さん」


お義母様は後から恭一と来るから先攻は私と雅之でお相手をする。


「真弥を泣かせないように誓う」

「泣かせたら秘密、暴露よ?」


そう言って立ち上がったお義母様は怖かった。


「分かってる。男に二言はない」

「なら、いいわ。じゃあ、明日迎えに行くわね」

「はい。よろしくお願いします」


明後日とうとう対面する。

雅之のお祖父様は見た事ないからどんな方か知らないけど失礼のない様にしないと。


「雅之、お祖父様ってどんな方?」

「あー…偏屈へんくつかな。父さんも偏屈だろ?その血を継いでるよ」


雅之も多少なりとも継いでると気がするよ…。


「真弥、フォーマルは持ってるか?」

「雅之にいっぱい買ってもらったのがある!

袖も通してないのもあるわ」


雅之はクローゼット、パンパンに購入してきた。


「俺が居るから大丈夫」

「手土産は何が良いかしら?」

「いらないだろ。手土産なんて」


なんて事言ってるの?このおバカは!!


「雅之、ただでさえ白鳥さんの事もあるのにそんな無下むげな事出来ないでしょ!!」

「持っていたって喜ばないよ。捨てるだけだ」

「じゃあお義母様が、好きな物にする」

「それが一番無難だよ」


協力的じゃない雅之の態度ムカつくー!!!

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