74・雅之のお母様来訪

第75話

「雅之が来るまで待たせてもらうわ」

「はい。社長」


社長が雅之の会社に来ていて雅之は会合で外に出ている。


「社長じゃないでしょ?」

「お義母様ですね…」

「そうよ」


雅之のお母様にお義母様って呼んでと言われて

しまったのですけど慣れません。


「何かあったらお呼び下さいませ」

「はい。呼ぶわね」


部屋の扉を閉めて自分の場所に戻ると電話が鳴り取る。


《はい、井口株式会社、担当草野と申します》

《真弥?母さんもう待ってるだろ》

《社長!はい。もう来ております》

《まだかかるから母の相手してくれるか?》


社長からの電話でまだ帰らなそうだった。


《雅之?早く帰って来なさい》

《母さん!?》


お義母様が私から電話を代わって言うから代わった。


《お父さんの事で話があるわ》

《その父さんの件で周ってるんだ》


雅之とお義母様の電話が聞こえる。…スピーカホンになっていた。


《なら、いいわ。貴方は欠席って事で》

《今すぐ帰る!!宮城!》

《全てキャンセル致しますわ》


お義母様…それ脅しって言いますよ?


「さぁ、真弥ちゃん。雅之が来るまで私のお相手お願いね」

「はい。お義母様」


お義母様と話すのは楽しい。

雅之の小さい頃を聞けて楽しいし、雅之曰く、

秘密を握られているから未だに頭が上がらないらしい。


「真弥ちゃん、恭一にね、車を買ったのよ。」

「ありがとうございます。車も電車も大好きなので嬉しがります」


お義母様は恭一を甘やかしている1人です。


「ばぁばって言ってくれるから余計ね」

「恭一、ばぁばって言ってるんですよね…」

「そうよ。ばぁばってね。真弥ちゃん、次は女の子がいいわ。可愛がっちゃうんだから!」

「…母さん次の子の話は早い。真弥が負担になる」


扉が開いて雅之がそう言って帰って来た。


「あらっ。真弥ちゃんに負担をかけるつもりはないわ。こればかりは授かり物だもの」

「はい。そうですね」


お義母様!2人目授かったら1番に抱っこして下さいね。

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