72・可能性高いじゃない!!

第73話

「恭一を、そろそろ1人で寝かせるべきだ」

「泣いたら困るから無理ね。1人で寝るっていうまで寝ます」

「真弥〜〜」


私達のそろそろ寝る時間に雅之がそんな事を言い出した。


「おやすみなさ〜〜い」

「真弥〜〜」


雅之をリビングに置いて恭一の所に行き寝ようとしたら見慣れない物が置いてあった。


「……なにこれ?」


どう見てもスピーカーホンで設置したのは雅之。


「俺の寝室に親機があるよーん」

「…雅之〜」


雅之がドアの所に寄りかかって説明する。


「そう。でも雅之は1人で寝れるでしょ。小さい

子供じゃないんだから」

「俺、小さい子供」


そう言って近付いてきて私を抱っこする。


「ちょっ!雅之」

「恭一が、起きるからねー」


恭一を盾に私に今は有無を言わせないあたり卑怯よね?雅之っ?


「はい。真弥は俺と一緒に寝る」

「はあっ?恭一が…」


そう言ったら唇を塞がれた。


「……っ」

「親機があるんだから平気。泣いたら行けばいい事だろ?」

「…そうだけど」


雅之が唇を首筋に滑らして行くから体がビクって反応しちゃう。


「雅之、ダメだって」

「夫婦の寝室なんだからいいだろ?それとも恭一に見せる?」

「絶対嫌!!それだけは嫌よ!!」


なんで子供に見せないといけないよっ!


「もおー、私の負けよ。雅之」


雅之の両頬を摘んで引っ張った。


「ふっ、ふふっ」

「それ、無自覚だろ?」

「なんの事?」


面白いから笑っただけなのに。


「そんな顔、他の男に見せるなよ」

「そんな物好きな男性がいると思ってる?」

「いる!」

「いないわね」


お互い言い合って笑い合ってキスを交わす。


「んっ…」

「真弥」


雅之が私の服を捲るから慌てた。


「明日、早いんでしょ!」

「早いけど大丈夫!」

「大丈夫じゃない!ちゃんとぐっすり寝て」


一瞬無言になって笑ったから私も笑った。

これが罠だったなんて知らなかったわよ。


「あっ。ああんっ」

「もっと鳴いて?真弥」


毎晩一緒に寝たら食べれちゃう可能性高いじゃないの!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る