69・突撃訪問者

第70話

「どうぞ、白鳥さん」

「ありがとうございますわ」


1人でゆっくりしていた時にチャイムが鳴って出たら会いたくない人が居て無視する事が出来ずに家にあげて粗茶を出し対面に座ってます。


「聞いたかしら?」

「…何をでしょうか」


しらを切ろう。

知らないフリがこの時点では一番良い選択な気がする。


「雅之からよ。私のお腹にね…」


白鳥さんがお腹を触って私を直視する。


「私のお腹に…雅之の子供がいるの…」

「………」


雅之は「俺の子じゃない」と反論していたから

違うと信じるけど頭の中が真っ白になりそう。


「だからね、雅之を返して欲しいのよ」

「えっ?」

「だって、そうでしょ?私は雅之の子供を身籠ってる。私と雅之の子供なのよ?井口と白鳥の後継者なのよ!」

「…私の子は雅之の子供です!!」


敢えて“は”を使ったけどきっと白鳥さんは気付かない。

恭一は間違いなく雅之の子供。


「草野さん、貴女の子は間違いの子なのよ?」

「間違いなんて、有り得ません!」


子供が産まれて間違いだったなんて有り得ない!


「私の子は正解の子。草野真弥の子は間違いの子」

「白鳥さん!自分の子を批判される覚えはないです!」

「あらっ。だってそうでしょ?目障りな子供は消さないといけないわよね?」

「!?」


恭一を消す?誰が?


「白鳥さん、本当に…雅之の子供なのですか?」

「当たり前じゃない!!私のお腹の子供は雅之の子供よ」


雅之と抱き合ったのはいなめないって私

だって分かる。

今言えるのは雅之は白鳥さんを抱いてない。


雅之も恭一も私にとっては大事な男性と男の子。


「白鳥さん、決着は雅之のご両親の前で着けましょう」

「いいわよ。負けないわ」

「私も負けません。雅之は渡せないですから」


負けたくない。


「白鳥さん、本当の父親を連れてきて下さい」

「雅之だって言ってるでしょ!雅之なのよ!」


雅之の子供として偽ってる気がするの…。

そこまで精神的に追い詰められてる訳ではないですよね?


雅之…どうしたら良いの?

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