56・真弥の両親にご挨拶〜2〜

第57話

「わぁ、綺麗」


クリーム色のワンピースを試着した時に気に入ってしまってのだけども雅之に連れてこられた洋服店。


「…アハっ…」


苦笑いです。

値段のけたが違うよね…。

とりあえず雅之に見せました。


「それにするんだろ?今着て行くから妻に」

「はい。井口様」

「はっ?待って雅之、これ」

「準備して来い。待ってるから」


井口家の御用達ごようたつですか?なら桁違うの納得。

そして、私はプロの方達にあれよこれよとお化粧から髪型から整えられました。


「井口様、奥様のご準備出来ました」

「あぁっ、ありがと…」

「どう?変かしら?」


雅之が言葉を失ってるから変なんだと感じ凹みそうになるけど違ったらしい。


「真弥、綺麗だよ。言葉を失っていた。」

「…ありがとう」


名前を呼ばれてエスコート。


「綺麗だ。見せびらかしたいよ」

「ありがとう」


甘すぎる雰囲気にキスしたくなちゃうけど我慢よねって思っていたのに!!


「綺麗だ」

「なっ!!」


おでこにキスをしてくれた雅之。

人目があるから恥ずかしかったのに嬉しかった。


「じゃあ、両親の所に行くか」

「うん」



「初めまして。井口雅之と申します。今日はお

時間を作って下さってありがとうございます」

「いいや。井口君?社長?」

「……」


ウチの父親の方が雅之より緊張してる。


「雅之君?でいいかしら?」

「はい、お義母かあさん。お久しぶりです」

「あら?雅之、母さんと親しかった?」


母さんと親しいなんて知らなかった。


「真弥さんが逃げ回っている時に何度も寄らせてもらったんだよ」

「!!」


逃げ回っていたなんて…逃げていたけど今言わなくたって!!


「このバカ娘は!!雅之君は懸命にアンタの事探していたんだからね!雅之君泣かしたらアンタは

2度とこの地を踏むんじゃない!恭一と雅之君だけよ」

「母さん……」


実の娘に対してなんて冷たい言い方。

そうだ!忘れかていたけど恭一の事言わなくちゃ!!

雅之と目を合わせて両親に伝える。

どう言われるか分からないけども言わないと!!

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