41・一安心ですわ。〜宮城さん目線〜

第42話

わたくし、ヘタレ坊っちゃま雅之様の秘書・宮城と申します。


「女が抱いてと言ってるのにどうして抱かないのか…不思議でございます」

「宮城!お前っっ」

「ヘタレ過ぎて言葉に出てしまいましたわ」


真弥さんから聞いて怒りを通り越して情けない

感情で一杯です。


「何で知ってるんだ?」

「それはわたくしの秘密です。それより大学時代からいている女性をみすみす逃すなんて男の風上にもおけませんわね?」

「……今、探してる最中だ!」


雅之様は会合・会食に忙しい身であるけど時間を見つけては真弥様を探している。


「雅之様、ご休憩も取って下さい」

「取るなら真弥を探す」

「何処に行かれますか?」

「真弥を探しに行く」


そう言ってオフィスを出て行く。

恭一様を見た時に驚いた。


「本当に、小さい頃の坊っちゃまにそっくり」


真弥様1人で育てて来たのは大変だったでしょう。

だから今度は真弥様に雅之様ともう一度戻って

欲しいと願ったのに粉々に砕かれてしまいました。

書類だってあの後ビリビリに破ってやりましたのに〜!!


「宮城、貴女が連れてきた草野さん。正確ね」

「ありがとうございます社長」


今、わたくしは真弥さんの新しい会社の一角にいる。


「宮城が連れて来たからピシッとした女性だと思ったけど本当に凄いわ」

「社長がそこまで気にいるとは、さすがです」


私も嬉しくなる。

真弥様を守れなかった雅之様にはとことん探して寂しい思いをしてもらわないと割に合いません。


「どう?」

「まだまだ手にかかりますわ」

「ふふっ。宮城なら大丈夫でしょ?」


話していたらノックが鳴り見えたのは真弥さん。

「失礼します、宮城さん!」

「真弥さん、お元気そうで」

「昨日会いましたよ?ふふ」


真弥さんも顔色が良くなって良かった。


「恭一君にも会いたいのでまた見せて下さいね」

「はい。社長、すいません。後にしますね」

「いいわ。どうしたの?」

「ここなのですけど……」


一安心しましたわ。

社長が味方してくれるなら大丈夫ですわね。

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