39・提案!?

第40話

「さよなら」


眠ってる雅之の頬にキスをして最後の温もりを

胸に抱いて荷物を持ち鍵はポストの中に入れて

来た。


「ありがとうございました」

「恭一君はいい子でしたよ」

「そうですか。ありがとうございます」


恭一を抱っこして別れを告げた。

何処へ行こうか。

地元に居たら雅之に見つけられてしまう。


「どうしようか…」

「パパは?パパは?」

「パパとは会えないの。ごめんね」


パパが大好きだったもんね。

私の勝手で離してごめんなさい。


「真弥さん?恭一君?」

宮城みやぎさん!?雅之の所に行くのですか?」

「はい。お昼から商談が入っております。

そして、どちらに行かれるのですか?」

「えっ?」


荷物を持っているのは丸わかり。

話をどう誤魔化すか逡巡しゅんじゅんしてると突如、電話が鳴り宮城さんが出る。


《真弥さんと恭一君が?》


私と恭一を見て電話の向こうの相手と話す。


《分かりましたわ。探します》


“探す”…その言葉に首を振る。

足が縫い付けられて動けない。


「真弥さん、このままだと雅之様に見つかりますので私の家に行きましょう」

「宮城さん?」

「次期社長には少し痛い目見てもらいましょう。とりあえず私の家を案内しますね」

「えっ?」


有無を言わさずに私は宮城さん宅へ連れて行かれる。


「…………」


部屋が綺麗すぎていつ掃除してるの?

「汚い部屋ですが」って何処が?


「真弥さん、恭一君は寝ちゃってるのでココに」

「あっ!はい」


恭一は車の中で心地よく眠ってしまって宮城さんのご好意こういに甘えて寝かした。


「何処に行くつもりでしたの?」


宮城さんに嘘が付けないと思ってぶちまけた。

涙も流れたけど優しい言葉をくれる。

宮城さんがボソッと呟いたけど聞こえなかった。


〈本当、ヘタレなんだから!〉

「宮城さん?」

「なんでもないです。真弥さん、会社は?」


有給消化して辞める事にしてある。それまでの住む所がないのが痛いけど親子2人なら何とかなる?


「なら、提案があります」


雅之の秘書さんだから凄い提案してきそう。

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