34・なんで?

第35話

『井口雅之次期社長と言ったら数々の女性』

「!?」


TVが消えた。


「恭一、消しちゃダメよ!」

「きゃ、きゃ」

「恭一、ナイス!」


恭一が偶然にも消してしまった。

雅之、自分の女性遍歴じょせいへんれきを知られたくないからって!!


「信じるから、どいて」

「ならキスしよ」

「!!」


“ならキスしよ”ってどっから出た。


「いやよ。キスなんてしなーーーんっ」


そう言われても唇を塞がれ手を壁に縫い付けられ軽いキスから舌が絡まるキス。


「んっ…」

「真…弥…」


手を絡められて恭一がいなかったらそのまま抱いて…って違ーう!!


「待って…雅…之」

「待たないからキスさせろ」


キスだけなのにクラクラして立って居られない。


「んっ…」


濃厚すぎるキスをたっぷり浴びて雅之が納得するまで浴びた私はその場に座り込んでしまった。


「もっと真弥がほしい」

「嫌!!」


断ったら柵をガタガタさせて恭一が大泣きする。


「ごめんね、恭一」


慌てて恭一の所に行って抱っこした。

スルッと後ろから手が回って雅之も後ろから私を抱きしめる。


「俺も構って〜」

「パパも赤ちゃんだねー。恭一」

「パパ、赤ちゃん?パパー」


恭一がパパの所に行くらしく身を乗り出し雅之は恭一を抱っこした。


「ママがご飯作るまで遊んでようなー」

「そうして」


そう言って雅之は恭一と遊びに入る。


《宮城か?ニュース見た。あぁ、親父の仕業だろ?》

「!!」


宮城さんがニュースを見て電話してきたのだろうから邪魔になるから慌てて雅之の所に行って恭一を抱っこしようとしたら拒否する。


《真弥も恭一も守る。宮城もそのつもりでいてくれ。あぁ、分かった。真弥に?》

「私に?」


宮城さん、なんの用なんだろうと思って出る。


《真弥さん、わたくしも一緒におりましたから。そしてこれだけは伝えます》

《なんですか?》

《次期社長を赤ん坊の頃から知ってるので断じて恋仲ではありませんから》

《えっ?えっ?宮城さんっ!!》


もう切れていた。

宮城さん、美魔女です!!

そして、速攻またバレていたー!!

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