23・離れたくない…と。

第24話

「私はずっと白鳥さんの嘘を鵜呑うのみにしていたって事?」

「真弥、愛羅の事は無視しろ」

「あら。寝た事?それとも朝帰りの事?」


今、白鳥さんの口から出てる言葉も嘘だった事なら私はそれをまんまと信じて雅之を傷付けて。

今私がする事は白鳥さんの質問に答えるより先に雅之に謝らないと…!!


「雅之、ごめんなさい。信じられなくって…」

「真弥、気にすんな。俺こそ離してごめん」


傷付けて今更謝るなんて虫の良い事かもしれないけど謝りたい。


「噂で別れた2人なのにまたくっつくなんてどんな神経してんのかしら?」


一緒に生活はしてるけどそれ以上はない。

私達と雅之は別の世界の住人だもの。


「雅之、お祖父様達に報告してありますのでどう転ぶかしらね?」

「分かった」


雅之は私の手をギュッと握りしめる。

待って…!!

お祖父様達って会長と社長の事?


「その事なら親父達にはとっくに知られてる。

強いて言うなら大学時代の時からな」

「私…雅之の邪魔に…?」


体が震える。

邪魔になってる?大学時代の時も今も…。


「邪魔になってない!離すつもりはこれぽっちもないからな!!」

「雅之…」


雅之の腕に顔を埋めて嬉しくなった。


「白鳥さんごめんなさい。雅之を離したくない」

「俺も真弥を離したくない」

「……2人とも?ここ人目があるからね?イチャラブは家に帰ってからしてくれない?」


白鳥さんが低ーい声で私たちを止める。


「まぁ、私はお祖父様達の味方。お祖父様達の

意見に従うわ。これが白鳥家に産まれた定め」


白鳥さんはそう言いながら私の所に来て眠ってる恭一の顔をのぞく。


「!!」

「………」


白鳥さんにはバレるだろう。


「ねぇ、マジなの?」


そう言われて頷いた。


「はぁー…。これで気付かないなんて鈍感ね」

「そうですね……」


白鳥さんは視線を逸らして雅之の方に向ける。


「会うときはお祖父様達との対面かしら?」

「望む所だ」


私も覚悟を決めなくちゃ??!!

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