14・もう1人女性登場

第15話

あの廊下で出会った女性は、白鳥愛羅しらとりあいらさん。

雅之と昔からの幼馴染で家同士交流のあるお互い格式高い家同士の2人。


倉庫で商品を確認しながら思い出していた。


「あらっ。草野さん?雅之ととっくに別れたと思っていたわ」

「再び出会って結婚したんだ。愛羅にもう関係ないだろ?」


雅之が私を隠し白鳥さんと会話してる。


「嘘はダメよ。届け出してないでしょ?」


出せない理由は私と恭一が縁談回避の為の

偽装結婚の相手だから。


「お前になんて言われようと俺と真弥は愛し合ってるんだ」


嘘ばかり。回避の為の偽装結婚のくせに。


「…次期社長、私そろそろ仕事に戻って宜しいでしょうか?」

「……昔も今も何も言わないのね」

「言う事はありませんから。失礼します」


2人に頭を下げて仕事に戻る為歩き出す。


「真弥!!」


廊下で走っちゃいけないのに声が聞きたくないから走ってその場を逃げた。


「………っ」


私は昔も今も逃げた。

あの時、愛羅さんと雅之が朝帰りをしたと聞いて

雅之を問い詰めたけどそんな事はしてないの一点張り。

「なっ…!!」

その内に2人の寝てる写真が出回って私と雅之は喧嘩別れをして今がある。


「出会っちゃいけなかったのよ」

「俺はそうは思わないけど?」

「!!」


声がする方に顔を向けたら雅之が息を切らして立っていた。


「どうして?」

「どうして?それはこっちのセリフだ!」


雅之はドンドン私に近づいて壁ドンされた。


「提出しよう」

「偽装結婚なんだから提出したくない……」


提出したら離婚した時にしたくないって泣きそうになるから嫌だ。


「今は偽装結婚だけど書面上だけでもお前と本当の夫婦になりたい」


ズルイ。

そんな事言って私を蹂躙しようとしてる。

心は停止させて涙なんか流さない。


「私は雅之と偽装夫婦で構わない。その方が雅之の結婚履歴に傷がつかないでしょ?私にもつかないもの」


1人で立っていられるように誰にも頼らないんだから!!

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