13・願う。嬉しいと…
第14話
「昨日は楽しかったなぁー」
「?。どうしたんですか?」
「!!。なんでもないですっっ」
就業中というのを忘れていて言葉に出していた。
雅之とあの時間を共有出来た事が嬉しかったから思い出してしまう。
「何かいい事あったんですか?」
「えっ?えっーと…夫?と久しぶりに話せてね」
夫でいいんだよね?恋人でも彼氏でもない。
契約結婚だけど籍は入れてないから夫ではない?
「良かったですね。すれ違いって寂しくなりますよねー」
「そうね。寂しくなるわよね…」
今が寂しい。
契約結婚じゃなくって本当の夫婦になりたいって願ったらダメじゃない…。
「草野さん、結婚したの知らなかったですよ!
おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「苗字は変えないのですか?」
「あっ…うん。色々手続きが面倒臭いから」
上手く笑えて上手く言い訳が出来てるだろうか?
こんな事で傷つく自分に心の中で叱咤する。
「課長!倉庫の荷物数えてきます」
「お願いするよ。新しいのも入荷してるから」
「はい」
リストを持って倉庫に向かう時に向こうから雅之が歩いて来たから歩くを邪魔しない様に壁に体を寄せて過ぎるまで待つ。
「そんな事、しなくたっていいだろ?」
「……次期社長に失礼でしょ!!笑わないで」
「壁と同化してるからさっ」
クックックって笑っていて嫌味な男ね!
「雅之」
「!!」
雅之を呼び捨てで呼ぶ女の人がこちらに来るから慌てて雅之に礼をして去ろうとしたのに腕を掴まれた。
「雅之!お祖父様とこれから食事なのに何処に
行ってるの?」
「……っ」
雅之が私に肩を組んでいる姿を見て女の人は固まっていた。
「…雅之?またセフレ?ここの社員に手を出して風紀を乱すつもり?」
「セフレなんていない。それに真弥は俺の妻だ」
「「!?」」
届け出してないのに“妻”って認識してくれる嬉しさが勝ってしまって目の前の女性が苛立っているのを見てなかった。
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